はじめまして、小室淑恵です。2児の子育て真っ最中の共働き世帯ママとして、そして、ワーク・ライフバランスのコンサルティングを手掛ける株式会社ワーク・ライフバランス社長として、DUAL読者のみなさんに情報発信をしていきたいと思います。

男は急にパパにはなれない

 共働き夫婦が子育てをする場合、ママとパパが育児や家事をバランスよく分担することが大事です。

 でも、産後にパパがすぐ育児と家事の達人になってくれればいいのですが、子どもが生まれたからといって、夫はいきなり「イクメン」になれません。共働き生活を支える「パパのイクメン化」は、実のところ、妊娠中の過ごし方がカギになります。

 妊娠や出産の当事者であるママは、母親になる意識が身に付きやすいのですが、男性は、パパになる意識を積極的に育てる必要があります。「夫婦で子どもを育てる」「夫婦で家事を分担する」という実感や技術を、子どもが生まれる前から身に付けることが、“パパ意識”を高め、「イクメン」度を上げるのです。

 特に、これまで家事を妻に任せがちだったカップルでは、つわりや体の負担がある妊娠中が、男性が家事を始める大きなチャンス。産後「イクメン」になってもらうために、妊娠中からできることを押さえておきましょう。

ママへの気づかいと家事のサポートからスタート

 ママが自分の体調や心境をパパに伝えることで、ママとお腹の中の赤ちゃんに意識を向けてもらうことが効果的です。「つわりがあると、食べられないものが出てくる」「体調が悪いと○○できない」…、そんな変化をパパに気づいてもらい、「サポートしなければいけないんだ」という自覚を持ってもらいましょう。これが「イクメン」の始まりです。

 一般的に、つわりは妊娠4カ月くらいまで。ママにとってはつらい時期ですよね。そんな中、パパにお願いできることは山ほどあります。

 例えば、買い物。食べ物の臭いをかぐと吐き気がする、というのはよく聞く症状。スーパーへの買い出しなどをパパにお願いできたらラクですよね。また、体に負担のかかる浴室やトイレの掃除。玄関や廊下など、毎日必ず通る場所の、つまずく危険がある家具を片づけてもらえると助かります。

 でも、パパが自分からママの「してほしいこと」に気づき、行動することは至難の業。

 ならば、「つわりがきついから、○○を買ってきてもらえないかな?」「ぶつかると危ないから、ここを片づけてもらってもいい?」と具体的にお願いしてみましょう。パパが上手にサポートできない理由の一つは、ママが言葉で伝えないからです。やってほしいことを優しい口調で伝え、やってもらったら感謝の言葉を。当たり前ですが、これを意識して行えるかどうかが、“イクメン・プロジェクト”成否の分かれ目です。

父親になる感覚をイメージしてもらう

 妊娠中のつらさは、一人で抱え込まず、パパと共有することがとても大事です。

定期健診の日の夜、エコー写真を見ながら、産後の生活について話し合ってみては?
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