藤川 LINE上でいじめが行われていても、親からは非常にわかりづらいものです。

 ですが、親は子どもの態度を見て、おかしな兆候があれば子どもの話を聞く、ということが重要です。

――子どもが1人でスマホを使うと、こうした兆候に気づきにくいですね。

藤川 子どもがスマホを個室で使う必要はありません。ですから、1人で使わないようにすることが、親としてやるべき対策です。

 子どもがスマホを使うときは、リビングなど親の目が届く場所で使うようにするルールを家庭内で作るのをおすすめします。これは前編記事で述べた「スマホ依存」を防ぐのにも役立ちます。

 まず、スマホの使用時間を決めて、深夜には使わないと定めるのが基本です。またスマホの充電器をリビングに置いておけば、子どもの利用場所や利用時間を自然と制限できます。

――親もLINEについて知識を持っていたほうがよいでしょうか。

藤川 小学生にLINEを使わせる必要はないと思いますが、もし使わせるようなら、家族間でもLINEを使って連絡を取り合うことを勧めます。

 そうすると、LINEでの言葉使いやスタンプの送り方など、子どもたちが普段どう使っているのか雰囲気が分かります。そのため、万が一のときに子どもの話を聞いても、理解しやすくなるのです。

――なるほど。

藤川 また、LINEを子どもと一緒に使うことは、子どもを見守ることにもつながります。「いつでも見守っているよ」という姿勢を見せることで、不適切な使い方をしないようになると思います。

――スマホ利用は「見守る」という対策がポイントですね。

藤川 小学生でも低学年、中学年のときは親とのスキンシップが重要になりますが、高学年にもなると親との距離感が広がっていきます。

 そのとき、子どもの行動に介入しすぎると、子どもが自立できないことがあります。一方で、放任しすぎると子どもが「見放されている」と感じます。

 だから「見守る」という距離感が重要になるのです。

――最後に、子どもにスマホを持たせないためには、親自身のスマホ利用も制限すべきでしょうか?

藤川 子どもの使い方については適切に制限すればよいので、大人はまた別の話です。親が自分のプライベートまで制限する必要はないと私は考えています。もちろん、子どもが遊びたがっているのにスマホを使っている、というのはよくありませんが。

 ただ、自分のスマホの使い方を見直すのは重要ですね。親というよりも1人の人間として、コンテンツが爆発的に増えていくネット社会をどう生きるべきか考えを巡らす機会になるのではないでしょうか。

(ライター/小口梨乃、撮影/近森千展、鈴木愛子)