藤川 とくに小学生の高学年になると性への関心が高まるため、ポルノサイトはかなり見ていると思ったほうがいいでしょう。

 特に気をつけたいのが過激なポルノサイトです。暴力で異性にわいせつ行為を強要する映像や児童ポルノの映像も流通しています。

 このような映像を見た結果、異性を暴力の対象としか見ることができなくなるなど、子どもの性の感覚がゆがむという可能性は否定できません。

――ポルノサイトを見ていると気づいたら、親はどう対処すればよいですか?

藤川 ただ「ポルノサイトを見るな」と一方的に言うのでは、本質的な対処になりません。

 例えば、「子どもの時からいやらしい映像を見ると、異性と付き合うときに支障が出るかもしれない」、「過激な描写ものがあるからショックを受けることもある。親としては絶対見てほしくない」など、親として「ポルノの何が心配なのか」という内容を、子どもに伝えるようにすべきではないでしょうか。

――ですが、親が「心配だ」と伝えるだけでは、子どもはポルノサイトを見るのをやめないのではないでしょうか。

藤川 子どもにとって、親に大切にされていると感じることは、すべての基本です。大切にされていると感じると、子どもに自尊感情(編集部注:自分には価値があり、尊敬されるべき人間であると思える感情のこと)が生まれます。

 小学生の中・高学年になると、子どもは成長期に入ります。精神的に不安定になり、親とも衝突しやすくなります。

 親と子の衝突は成長の過程で当然のことです。ですが、そのときに親が一方的に叱ったり、逆に子どもを放置しまうと、子どもの自尊感情が低くなります。

 そうすると、「自分なんてだめだ」、「将来のために今を大事にすることよりも、今楽しいことをやろう」と思うようになり、スマホを不適切に使う方向へ進んでいきます。

 親としては、子どもと衝突することがあっても「私はあなたを大事に思っている」というメッセージを子どもに伝え続け、自尊感情を高めるのが重要なのです。

「個室で使わせない」ことが一番の対策

――親としてやはり心配なのが、LINEでのいじめ被害です。