そもそも「塾に通う」という生活に慣れること自体、結構大きなことです。我が家の場合、電車で数駅乗って向かうことになります。幸い、こじろうは「ややテツ」なので電車馴染みはよかったのですが、必要なものを持っていく、また持って帰る、ということはなかなか間違いなくできるようになりませんでした。弁当を教室に忘れて帰り、次回に行くと洗ってくださってあったり(汗)…。

 勉強も、塾にただ通って授業を聞けばいいというわけではなく、家庭学習があって初めて完結するのですが、何をすればいいのかがいまいち把握できていなかったこと、勉強時間がしっかり取れていなかったことから、当初は抜けまくりでした。

早いスタートと遅いスタート、「到達点」は同じだけれど

 漢字学習用のテキストが配られていて、これは自習で進めておく必要がありました。塾では毎週、小テストがあって、それが週末の復習テストの範囲に含まれ、さらに実力テストではそれまでに学習してある(はずの)漢字が含まれるといった具合でした。こじろうは、それを日々の学習に組み込んでおらず、小テスト前に詰め込んでいくくらいだったので、復習テストでならまだ書けても、実力テストではまっさらに。覚えても忘れ、覚えても忘れ、すべて忘却の彼方に沈んでいました。

 積み上がっていかない学習、こんなのは学習したうちにも入りません。

 そんなわけで、成績は安定するはずもなく、5年前半は「ぐちゃぐちゃ」。だんだん、何をすべきかわかってきた5年後半から成績は上がり、6年になるころには安定していきました。

 みんなに遅れて塾に入った場合、まだベースもなければ学習サイクルにも乗れていないうちというのは、たいがい、成績低調です。そして、やり方をつかんでくると上がってきますが、まだいろいろ穴がありますからジグザグと不安定になりがちです。そして、成績がその子の本来のポテンシャルのあたりに近づいてくると、安定するというか、言葉を変えていえば頭打ちになります。

 こじろうの場合、安定(頭打ち)フェーズに入ったのはだいたい6年春くらいです。そこからはさらに穴埋め、演習と細かく磨いていくことになりますので、本番のときには、かなり「数うたなくても当たる」状態にこぎつけていたと思います。準備期間としては十分でした。もしも、4年から入塾していたとしても、到達地点にあまり変わりはなかったでしょう。