4.いろいろな体験を積ませ小学1~3年生で絞る
 お稽古事を3 つ、4 つと掛け持ちしていることは多いだろう。「まずはいろいろな体験をさせてみたい」というのなら、問題はない。だが、いくつも掛け持ちしている状態は子どもにはしんどいし、教室以外で練習する時間も取りにくい。小学1~3 年生ごろを目安に、「どれを続けたいと思う?」と子どもと話し合って1 つか2 つに絞ると、エネルギーを集中して注げる分、上達しやすくなる。

5.習う先生を吟味する
 子どもがお稽古事を好きになるかどうかは、先生に左右される面も大きい。子どもと一緒に見学に行き、ほかの子どもが楽しそうにやっているかどうかを見たり、近隣のママに評判のいい先生を聞いてみるといい。「どうしても有名教室に入れたい」と熱心になりすぎるのは考えもの。わざわざ遠くまで通ったのはいいが、小学校入学後に通いきれずにやめることも少なくないのだ。

この人たちに聞きました

田島信元さん
 白百合女子大学文学部教授。専門は発達心理学、文化心理学。共著に『育つ力と育てる力』(ラボ教育センター)、『0歳~3歳までの能力を伸ばす子育て』(ナツメ社)などがある。

杉山由美子さん
 教育ジャーナリスト。90年代前半から、子育てやお稽古事事情、中学受験などについての取材を重ねてきたジャーナリスト。著書に『21世紀お子様教育事情』(婦人生活社)、『SAPIXカリキュラム』(WAVE出版)など。

小﨑恭弘さん
 神戸常盤大学短期大学部准教授。兵庫県西宮市立の公立保育所男性保育士第1号として12年の勤務を経て、現職。男性の育児、教育問題などが専門。著書に『男性保育士物語』(ミネルヴァ書房)など。

(取材・文/ライター 広田遙、構成/日経キッズプラス)
[日経キッズプラス2009年3月号の記事を基に再構成]