宮崎駿監督に、日本禁煙学会から苦言が入る

 2013年7月、スタジオジブリの新作「風立ちぬ」が公開されました。スタジオジブリとして初めて大人の恋愛を描いた事が話題になりましたが、もう一つ話題になった点が映画内での喫煙シーンです。

onigiri / PIXTA(ピクスタ)
onigiri / PIXTA(ピクスタ)

 学生がタバコを吸っているシーンや、結核を患っている妻の横で主人公がタバコを吸うシーンなどに問題があるとして、NPO法人・日本禁煙学会からクレームがつきました。(関連記事:「「風立ちぬ」に苦言 喫煙場面多いと禁煙学会」、日本禁煙学会の要望書はこちら

 このような表現の自由と違法行為・問題行動の助長という対立は、芸術や報道には常につきものです。ただ、このクレームについて大方の意見としては「せっかくの素晴らしい作品にケチを付けるな」という否定的な意見が多かったようです。

 一方で、作品中のみならず、宮崎駿監督はテレビで放送されたドキュメンタリー番組等で仕事中やインタビュー中もずっとタバコをくゆらせるなど、タバコ好きであることは間違いありません。映画の製作中に原因不明の体調不良が続くなど、心配される状況も番組では報じられていました。

 タバコと言えば肺がん、というのは誰でも連想しますが、国立がん研究センターによれば「喫煙によって肺がんになるリスクは3~4倍になる」と報告されています。副流煙(たばこから出る煙の事)に問題があることも周知の通りですから、周りの家族まで不健康にしてしまう事も間違いないようです。

 また、肺がんはがんの中でも死亡しやすいことが統計データで分かっています。国立がん研究センターのデータによれば、肺がんになった場合の5年後の相対生存率は男性で20%程度、女性で40%程度です。つまり、肺がんになると男性なら8割ぐらいの人が、女性ならば6割ぐらいの人が5年以内に亡くなるわけです。

資産相談の前に「喫煙の有無」を確かめる

 私は普段、ファイナンシャルプランナー(FP)としてお金の相談に多数のっています。住宅ローンはちゃんと返せるか、教育費は払えるか、万が一の時に残された家族は、老後の生活費は、日本が財政破綻したら・・・とお金にかかわる悩みは尽きません。