2013年も残りわずか。郵便局から「年賀状の投函はお早めに」と言われる時期になった。毎年のお年玉年賀状の発行枚数を見ると、年賀状を送る人が年々減ってきていることがわかる。その代わりに、携帯電話やスマートフォン(以下、スマホ)から写真つきメールを送り、年賀状の代わりにする人は増えているようだ。「でも、やっぱり年賀状はハガキで届かないとものたりない」と考えている人達に注目されているのが、スマホで年賀状を作成できるサービス。今回は、実際にサービスを試し、実際の使い勝手や、注文から納品まで何日かかるのかなどについて調べてみた。

 富士フイルム提供の「フジカラーの年賀状2014」や、日本郵便とミクシィグループのノハナが連携した「ノハナ年賀状2014」など、スマホで作る年賀状サービスが増えてきている。これらはいずれも、スマホの中に保存されている写真から好きな写真を選び、あらかじめ用意されているデザインフォーマットを選んで配置するだけで、簡単にオリジナル年賀状が作成できるサービスだ。写真つきメールを送る感覚で手軽に年賀状を作成できることから、人気を博している。

 では、スマホから年賀状を注文しているユーザーは、どの程度増えているのだろうか。

 富士フイルムが年賀状を作るスマホアプリを初めて提供したのは2011年だが、「最初から思った以上の反響があった」(イメージング事業部 吉村英紀さん)。2012年はインターネットによる注文のうち、15%がスマホからの注文。20代女性に限ると40%がスマホ経由だったという。

 2012年末からスマホを使った年賀状プリントサービスを開始した「デジプリ」(プラザクリエイト)によると、サービススタート直後は注文数全体の5%がスマホからの注文だったが、2013年は11月の段階で、すでに全体の20%を占めている。

最近はスマホに入っている写真を使って簡単に年賀状が作れるようになった
最近はスマホに入っている写真を使って簡単に年賀状が作れるようになった

撮影も年賀状作りもスマホで完結

 スマホからの注文が増えた理由について、プラザクリエイト ネットワーク事業部の今村祥一さんは、「写真をスマートフォンで撮影する人が増えている。その写真をわざわざパソコンに転送するより、そのままスマホでデザインし、注文したほうが楽と考える人が増えているのでは」と分析する。富士フイルムの吉村さんも「スマホを使う人は、スマホが『核』になっている」。そのため同社は、2012年より店頭での注文でもスマホさえ持っていけば年賀状を注文できるシステムを整えている。

 年賀状作りにスマホアプリを利用している中心は女性。プラザクリエイトの場合、「スマホを使って年賀状を注文する会員の8割が女性」(今村さん)。中でも多くの割合を占めているのが主婦で。年賀状にプリントする写真の6割が子どもや家族を含めたファミリーの写真という。サービス利用時間帯を分析すると、通勤電車や休憩時間を利用して年賀状のデザインを作成し、ネット環境が安定している自宅に戻ってプリント注文するユーザーが増えていることがわかるという。