学校現場では、大きな物を買おうとすると、3社以上の見積もりを取らなければならない。しかも、大阪市の指定業者から選ぶ。防犯カメラの見積もりを取ったら、3社それぞれが違う商品とシステムで見積もりを出してきた。

敷津小学校の図書室。本が探しにくいため電子化を検討している。「ヒト・モノ・カネ」の調達の面倒さに、なかなか前に進めない。子どもが「本と出会える場所」にしたいと考えている
敷津小学校の図書室。本が探しにくいため電子化を検討している。「ヒト・モノ・カネ」の調達の面倒さに、なかなか前に進めない。子どもが「本と出会える場所」にしたいと考えている

  通常なら「予算と商品メリットのバランス」で決定するだろう。A社は安いけれど、カメラの性能がイマイチだ。B社の防犯カメラは高いが、録画機能もあって耐久性が高い。C社は欲しいレベルの機能を満たしており、価格はAとBの間。予算内で収まる。

  この場合、バランスの取れたC社製品を選ぶ人もいるだろうし、耐久性にこだわって高くてもB社にする人もいるだろう。民間ならそうだ。しかし、学校では「容赦なく一番安いA社」を選ばなければならない。「安いだけの業者を選ばないといけないせいで、チャチな設備になってしまうケースもある」と聞いて、素朴に思う。特定企業との癒着を避ける意味はわかるが、それにしても複雑化し過ぎだ。税金のムダを減らすための「最安見積もり」かもしれないが、ネットで買えばもっと安いものもある。

 各学校に団体用クレジットカードを作って、基本はネットで物を買えばいい。記録が残るし、キックバックができないので不正は起きにくい。ネットショップならすぐ来るし、アマゾンや楽天ならポイントもたまる。そのポイントで、図書室に本を増やせたらすてきだ。

 指定業者を守る意味もあるのだろう。それなら、サービスと価格のバランスでネット業者と勝負すればいい。そのためには、「一番安い業者を選ぶ」というルールを解除する必要がある。

 「なんでこんなに面倒なんだろう?」と気づき、教職員に質問をぶつけ、改善策を考える。私が見つける問題点に、教職員も昔から気づいてはいる。改善を訴えても行政が動かないうちにあきらめる。もしくは忙しさに追われて、忘れる。

 民間人校長に意義があるとすれば、「やっぱりこれはおかしいんだ、だったら変えよう!」と教職員の意見を束ねて訴え、変えるまでしつこく粘ることだ。もしくは、現場レベルで変えていくことだ。

 ここまで書いて、言うのは簡単だ、とため息が出る。

 「これはおかしい」を伝えたくても、アイデアを出す窓口がない。関係がありそうな部署に伝えたところで、「検討します」の一言で終わってしまう。実際、いくつか行政側に提案したが、何ひとつ変わらない。変える気がないのか、変える暇がないのか。