――そう言えば、この間出たチンジャオロースもよく炒めてありました。あれは柴田さんの愛なんですね!これからは、もっと噛みしめて食べます。

 「たとえば7月はゴーヤーが出ました。これまた、苦手な子が多いんですよね。食材費を押さえる意味もあって、給食は旬のものを大量に使います」

――5~6月は「いんげん豆祭り」でしたね(笑)

 「そうそう(笑)。子どもたちは、学校で初めて食べた!という食材も多いようです」

――驚いたのは、お味噌汁やスープに入っている野菜の量です。具がどっさり!

 「ウチの子も大阪市の小学生なので、家で『わかめと豆腐の味噌汁』を出したら『具が少ない、学校のお味噌汁の方がおいしい』と文句を言われます。野菜を食べさせるための工夫で、具だくさんにしてあります」

給食調理室は夏の暑さ、冬の寒さの厳しい環境。その中で、衛生面やアレルギー対応を管理する「命を預かる仕事」としての集中力が要求される
給食調理室は夏の暑さ、冬の寒さの厳しい環境。その中で、衛生面やアレルギー対応を管理する「命を預かる仕事」としての集中力が要求される

――「給食が唯一のまともな食事」という家庭は、どこの学校にも多かれ少なかれあります。旬の野菜を、学校でバリバリ食べさせたいですね。ちなみに、柴田さんの「自宅の食卓」はどんな感じですか?

 「子どもが3人いると、帰ったら戦争状態。夫もフルタイムで働いているので、とにかく早く作る!残り物を使い回す!という発想です。ひじきをたくさん煮て、残ったひじきは翌日にご飯にまぜてひじきご飯。カレーの残りは、パン抜き型のグッズでサンドイッチにして翌日の朝ごはん、といった残り物活用をよくしています」

――どっさり調理と残り物アレンジ、我が家でも参考にさせてもらいます。他の家事で、何か工夫はありますか?

 「工夫というより必要に迫られてなんですが、子どもには自分のことは自分でするようにしています。学校で水筒がいるなら、その用意は自分でさせます。つい、『お茶が漏れたら困る』なんて考えて代わりにやってしまいがちですが、『失敗したら失敗したでええやん』ぐらいの気持ちでやらせています。毎週の上靴洗いと、お風呂で自分の靴下を洗うこともルールです。男の子の靴下はなぜか真っ黒になるんで、ちょっとのこすり洗いでキレイになるねんで~と教えて、やらせています」