大量のゲームも、App StoreやGoogle Playなどのアプリストアで簡単に手に入ります。無料のものも多いです。すなわち、スマホを手に入れると、子どもはコンテンツ消費に長時間はまってしまう可能性が高まります。
また、友達とのつながりも「依存」を生みます。
例えば、前述のLINEのグループ機能を使っていると、子どもは自分が入っているグループでどんな会話が行われているのか気になりがちです。LINE上で友達と絶えず会話をしていないと、会話についていっているのか不安になり、長時間利用してしまうのです。
――LINEでの友達とのつながりが、逆に仇となるわけですか。
藤川 小学生の話題とは少し外れるのですが、日本の中学生は、諸外国の同世代の子どもたちと比べてイライラしやすいこと研究からわかっています。
日本の社会は「子どもをほめる」という行為をあまり行わないので、子どもは自尊感情(編集部注:自分には価値があり、尊敬されるべき人間であると思える肯定的感情)を持ちにくいのです。
こうした環境のなかで親や大人とぶつかることが多いと、イライラする傾向が他国と比べて高くなります。
さらに携帯電話やネットの登場後、子どもたちは周りの友達との関係にものすごく気を使うようになってきています。
――友人関係に気を使うとは?
例えば、LINEで相手からのメッセージを閲覧すると、メッセージには『既読』マークが付いて、読んだことが相手にわかります。
そうすると「このメッセージを読んでいるのに返事をしないのはマズい」と気を使って、相手の友達へすぐにメッセージを送り、やりとりが長時間続いていきます。
上記の現象は「友達と調子を合わせて、うまくつき合おう」という同調圧力の表れですが、スマホの登場によってこの圧力がますます強まっています。
ですが、子どもたちは子どもたちで、こうした同調圧力に疲れています。ただでさえイライラしがちな環境なのに、友達付き合いのストレスがたまってしまうわけなのです。
(親の対処方法を解説する、12月17日公開予定の後編記事に続く)
(ライター/小口梨乃、撮影/近森千展)