藤川 いま、子どものスマホ利用には、3つの問題があると私は考えています。

 まず「スマホを使った中傷・いじめ」。また、遭遇する確率は高くはありませんが「犯罪被害」もあります。そして、大きな問題となるのは「スマホへの依存」です。

――ネット上で友達を中傷したり、いじめたりすることは以前にもあったと思いますが、スマホの普及によって変化しましたか。

藤川 以前は「学校裏サイト」と呼ばれるサイトが問題になっており、そこで友達への悪口や中傷が書き込まれていました。ですが、スマホの普及と共に、学校裏サイトの話題は少なくなりました。

 今のネットいじめは、LINE上で行われるものが問題となっています。

 LINEには、多人数でチャットができるグループ機能があります。このグループ機能を使って友達同士でやり取りをしているのですが、いじめが始まるとグループから突然外されたり、グループのなかで悪口を言われたり、無視されたりします。「LINE外し」という現象です。

――それは、精神的にキツいですね。

藤川 ただ、この種の中傷やいじめは、スマホだけの問題ではありません。

――というと?

藤川 海外の場合、学校での人間関係とは別に、ネット上で見知らぬ人との関係が作られて、そこでネットいじめに発展することがあります。

 ところが日本では、スマホでの中傷は、学校でのいじめの延長線で行われているケースが大半です。

 つまり学校でのいじめや人間関係の問題がLINEの利用に表れている、ということなのです。

電話番号は教えないが、LINEのIDは教えてしまう

――一方で、小学生でもスマホ利用が原因で犯罪に遭う場合があるのでしょうか。

藤川 ここで言う犯罪被害とは、端的に言うと、スマホを使って見知らぬ人と出会い、性行為をされてしまうというものです。