――なるほど。キャラクターの中に「トップガン」のヴァル・キルマー(ブラボー)とアンソニー・エドワーズ(エコー)が登場するシーンがあり、映画ファンにはたまりません。そういう小ネタや「こんなお楽しみもあるよ」というシーンはありますか?

 「『トップガン』は究極の飛行機映画ですし、ジェット戦闘機と言えば『トップガン』が最初に頭に浮かびますよね。あの2人をこういう形で再共演させるというのは、はたから見ていても最高にワクワクするような体験でした(笑)。2人も久しぶりの再会だったようで、アフレコのときにはひとしきり盛り上がっていましたよ。ヴァルは、『トップガンのときの衣装をまだ持っているんだよ』なんて小ネタを披露してくれたりして(笑)。非常に面白かったです。実は、ディテールにとても細かくこだわっていて、ブラボーとエコーのヘルメットが『トップガン』に登場したものと全く同じデザインのレプリカなんですよ!」

――そこは要チェックですね! ところで、子どもがいるスタッフの方々は作品を作る上で子どもの意見を聞いたり、彼らの反応や興味を参考にしたりすることはありますか?

 「スタッフによっては、子どもの意見を反映する人もいますね。私の息子はまだ2歳と3歳で非常に幼いので、具体的な意見を聞けるような年齢ではないですが、2人とも『カーズ』の熱狂的なファン。我が家のテレビでは常に『カーズ』がかかっているくらい大好きなんです(笑)。その中でも特に、どういうシーンに一番反応するのかを観察して、私はそれを生かすことがあります。例えば長男は、トラクターがビックリしたときに2本足で立って後ろに倒れるシーンが大好きで、ひと際大きく反応するんですね。今回、『プレーンズ』にも、そういう子どもが喜びそうなシーンを取り入れたりしています」

どんなに忙しくても、1日に数時間は子どもと過ごす!

――2人のお子さんのママであるトレイシーさんは、映画のプロデューサーという多忙な仕事と子育てを両立させるために、何か工夫されていることはありますか?

 「とりあえず、睡眠時間を犠牲にするしかないかしら(笑)。やはり、仕事と子育てを両立するのは大変なことですよね。私の場合は、夫や両親にサポートしてもらっています。ただ、自分のモットーとして、どんなに仕事が忙しくても、1日に数時間でも子どもと過ごす時間をきっちりと設けることを心がけています。例えば一旦、コンピューターの電源を落として仕事を忘れる。そして子どもと一緒に遊んでご飯を食べて、子どもが寝ついてから、夜にまたコンピューターを立ち上げて仕事を再開するとか。そういう風にしながら、なるべく仕事と子育ての時間をはっきり切り替えるようにしています」

――最後に、トレイシーさんが所属されているディズニートゥーン・スタジオ製作の「プレーンズ」は既に続編の公開も予定されているそうですが、今後の展望を教えてください。

 「何と言っても、素晴らしいストーリーが大前提です。伝えたいストーリーがあれば世界観を広げていって、シリーズ化していくというような計画はあります。具体的には、来年に『プレーンズ』の続編『Planes: Fire & Rescue(原題)』という、ダスティの仲間たちが新たな冒険に旅立つ内容の作品が待機しています。ディズニートゥーン・スタジオには才能あふれるアーティストたちがたくさん結集していますので、今後もより良い作品を届けていきたいと思っています」

写真(インタビュー)/小林秀銀