ちょっと気になるけれど、対策を調べることすらおっくうで先延ばしにしてしまう、こういった諸問題。自己紹介を兼ねて、私の経験から解決策を提案します。

これが「4C教育」だ

 私が育ったのは共働き家庭。保育園と学童保育所にフルコースでお世話になりました。子ども時代を振り返ると、毎日家族以外の人にお世話してもらい、家族以外の人が作った料理を食べていたわけですが、「親の愛情」を疑ったことは一度もありませんでした。私が実感を伴って学んだのは「保育や家事は親の愛情を示す良い機会。でもそれは、100%実の親から提供されなければいけないというものではない」ということです。

 以前、Tokyo International School(東京都港区)の設立者であるパトリック・ニューウェルさんから、「21st Century Skills」という教育プログラムについて教えてもらう機会がありました。このプログラムは、これからの“激動の時代”を見据え、アメリカ合衆国教育省や米アップル、米マイクロソフトなど20以上の組織や教育専門家が作成したものです。子どもを、将来、組織に依存せずに輝く人材に育成するために必要な要素を、次の4Cだと定義しています。

 「コミュニケーション力」(他人と意思疎通できる)

 「コラボレーション力」(他人と協力できる)

 「クリティカルシンキング」(与えられた答えを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えることができる)

 「クリエイティビティ」(創造力を発揮することができる)

親が働くことで、親も子も学べることが山ほどある

 この4Cは、実の親だけが与えられるものではなく、いろんな人との関わりの中で学ぶことのできる内容ばかりです。

 親が働くこと、子どもが親以外の誰かと過ごすことで、親も子も学べることは山ほどあります。家族よりも生物学的に遠い存在である友だちや先生と関わりながら、幼いなりに摩擦を乗り越え、日々をたくましく過ごす。そんな中で、子どもたちは毎日、驚くほど多くのことを学んでいるのです。