共働き子育てのフェーズシフトで、保育園卒園のときと、学童卒所のときを考えると、卒園が激震なのに比べれば、卒所は地味な変化です。

 安全上の問題からいえば、まぁいくつかの約束事をしておいて(そして子どもがそれを守るならば)そんなに心配ないかな? 小学校入学時の、初めて鍵を持たせる、鍵を閉めて家を出る、学校から学童まで自分の足(と意思)で向かう、などという大イベントに比べればたいしたことはありません。

 けれど、突然空いた放課後時間をすべて子ども任せ、成り行き任せにするとなると、そのあまりにも茫漠とした時間のメリハリのなさがやはり怖いというか、仮に「怖く」はなくとももったいないような気がします。

「中受するなら4年生からの通塾」は本当に常識?

 ここで、多くの学童が3年生までで終わってしまうことと、多くの大手塾の中学受験カリキュラムが4年生から始まることから、中学受験(中受)をさせようか? と思っているおうちでは「じゃあ、とりあえず、塾に入れておこうかな?」と思い立つことも多いかもしれません。

 これはひとつのリーズナブルな選択です。なぜなら、大手塾のカリキュラムはそれぞれ非常によく練られており、それにすんなり乗っておけば最も「効率よく(=家でのフォローが最小で済む)」受験ができるからです。

 ところが、わが家では、2度の中学受験で、2度ともこの方法を取りませんでした。理由はいくつかありますが、まず、

・学童に最後(3月)まで通うと、結局、カリキュラムスタートには乗り遅れる。

 中学受験は、6年生の2月の第1週くらいまでで片がつくため、新学年は4月切り替えではなくて2月切り替えなのです。つまり、「4年」といいつつ、塾でいう「新4年」は3年生の2月からを言います。そのため、学童の卒所式までしっかり通わせると、カリキュラムが2カ月走ったあとから合流することになるんですね、

それから、

・中学受験をするのだと、決め打ちしていたわけではない。

 「たぶん」中学受験をするだろう、とは思っていたけれど、「どうしても」とは思っていませんでした。塾に通わせて「子どもの様子を見る」という考えは、一見よいようなのですが、実際のところ途中下車は案外やりにくいものです。中学受験塾は強力な引力がありますから…。

 別に、やめるといったのにやめさせないように妨害するとかそういうことではなく、周り全体が受験する雰囲気にあって、そこからはみ出しにくいということです。こういった理由で塾に通わないで1年間を過ごしながら、子どもの様子と意思を確認するほうが「中学受験するかどうか」納得のいく選択ができると思ったのです。

4年生は習い事にあてる選択肢も

・拘束時間の長い習い事にチャレンジするなら、4年生が好機である。

 これまで、平日昼間はすべて保育園か小学校か学童にいたわけで、習い事をするとすれば、貴重な休日を使って送迎するしかありませんでした。それでもいくつかの習い事をやってはいましたけど。本気でやる音楽、スポーツなど、その場にいる時間と、家での練習時間などを合わせるとかなりの長時間になるような活動はなかなかやりにくかったのです。逆に言えば4年生からの放課後は、(塾に行かないのであれば)何か大きなことに挑戦するチャンスです。