「多くの人が知名度の高い企業がホワイト企業と思いがちです。しかし、そうではない場合も多いようです。大事なのは、今の自分にとって、どの企業が一番働きやすいかを知ることです。ライフステージによって、人それぞれ良いと思う企業は変わってきます」と治部さんは言う。

 ライフステージによって変わる良い企業については、次のように分析。「独身時代は、時間を気にせず働けるので、体を壊さない程度なら、ハードワークをしながら仕事の経験を蓄積できる、性差別のない企業に働きがいがあるでしょう。ただ、子どもが出来た後は、勤務時間の柔軟さなど、独身時代には必要性を感じなかったものを欲しいと思うようになる人が多いようです。従って、単純な給与の多寡ではなく、勤務形態を含めて良い企業を選ぶようになるのではないでしょうか」

 女性のワークライフバランス(WLB)が大きく変わる「結婚」や「出産」などのタイミングに応じ、仕事との関わり方も再検討するのがよいとし、わかりやすく3つのタイプをあげ具体化。治部さんが挙げた3タイプは以下のとおり。

●「バリバリ働きたい人」
●「仕事も家庭も両方しっかりやりたい人」
●「家事や育児をしながらゆったり働きたい人」

 「まずはこの3つのうち、自分は今どのタイプに当てはまるかをじっくり考えましょう。夫婦間の協力体制も加味し、そのうえで、職場環境を再検討。必要ならば転職も視野に入れ、自ら選び取っていくことが大切です」

 同研究チームでは、「仕事も家庭も両方しっかりやりたい人」にオススメの企業をピックアップしている。

「仕事も家庭も両方しっかりやりたい人」にオススメの企業

<銀行業>

「みずほフィナンシャルグループ」
「スルガ銀行」
「三井住友フィナンシャルグループ」
「八千代銀行」
「百十四銀行」

<サービス業>

「ベネッセホールディングス」
「イーピーエス」
「電通」
「日本工営」

 「ベネッセホールディングス」や「みずほフィナンシャルグループ」などの有名企業がランクインするなか、「イーピーエス」や「日本工営」といった企業もランクイン。「イーピーエス」は管理職の女性比率や男性の育休取得、「日本工営」は勤続年数、3歳以上の子どもを持つ社員の短時間勤務・フレックスタイム制度などが評価されてのことだ。

 「知られざるホワイト企業を発掘していきましょう。ワークライフバランス(WLB)に伴い、今の自分にあった職場環境を選び働くなかで、企業とともに自分も成長していけるのが理想ですね」と治部研究員。

 今後、同研究チームは、「女子学生が卒業後に継続して働き続け、キャリアを向上させて活躍してほしい」とし、異業種での調査も実現したいとしている。

(ライター/榎戸真理)