株式会社トリンプインターナショナルに勤務しながら、ウェブマーケティング分野で活躍している今西由加さん(40歳)。小学校1年生の息子と夫との3人暮らし。私と由加さんとの付き合いは長いのですが、ずっと聞けないでいた子連れ転職の極意と「小1の壁」攻略法について伺ってきました。

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“おめでた退社”を慰留してくれた上司

 20代は、大手レコード会社に勤務。海外渉外や海外アーティストの国内マーケティング全般を見るディレクター業で、昼夜逆転の生活を余儀なくされた今西さん。結婚後、子どもを生んでも働きたいと考え、ロールモデルを求めて転職を決めました。

――転職先の会社を決めたポイントはなんですか?

今西 すぐに妊娠・出産したいとは思っていませんでした。ただ、出産を機に仕事を辞めることになった場合、音楽業界のキャリアしかないと再就職が難しいはず。「妊娠前にほかの業界でもキャリアを積んでおこう」と考えて、化粧品会社のクラランスに移りました。PRとマーケティングの仕事に従事し始めて2年後に妊娠が判明したんです。

 妊娠が分かり、上司に「出産したので退職したい」と切り出しました。所属していたマーケティング部は多忙を極め、妊娠経験者は誰もいなかったんです。すると上司が「ここはフランスの会社。フランスではママ社員は当たり前です。ぜひあなたに日本支社のロールモデルになってほしい。産休育休はしっかり取ってください。会社としてできる限りサポートしますから」と言ってくれたのです。夫とも相談して、クラランスに勤続することにしました。32歳のときのことです。

――そのときの決断をどう振り返りますか?

今西 辞めなくてよかったと思います。妊娠出産後さらに大きな仕事を任されて、部下も持たせてもらえましたし。保育園入園後、子どもが病気になることが多かったのですが、会社の理解が深く、助けられてばかりでした。

子連れで転職。定時退社でも評価は高まる

――その後、さらに転職したとのことですが「子連れ転職」がマイナスになると感じたことはありませんでしたか?