さて、育児や家事を頑張っているのに、妻から「余計なことしないで」と言われた場合、どう受け答えするのがいいでしょうか。

 筆者が考える、それぞれの回答への評価とその理由は、以下の通りです。

1=×

 奥さんは、口では「余計なことしないで」と言ってはいますが、それが本音ではありません。夫が、慣れないなりに努力してくれていることは分かっていながら、ついイラっとして、心ないことを言ってしまっただけです。

 それなのに真に受けて、「じゃ、やーめた」となってしまったら、ますます奥さんの不満は大きくなります。

2=○

 互いに仕事と子育てのストレスで余裕がなくなっている毎日。「売り言葉に買い言葉」というのはいただけません。

 自分の不満を相手に伝えたいときには、相手を非難するのではなく、自分を主語にして気持ちを伝えるというテクニックが有効です。

 心理学ではこれを「I(アイ)メッセージ」と言います。「Iメッセージ」を使うと、相手は非難されたとは感じにくくなります。だから素直に自分の非を認めやすいのです。

 だからといって「ごめんなさいね。言い過ぎた」なんて素直に謝ってくれるとは限りませんが、次からは少し気をつかってくれるかもしれません。

3=◎

 この状況で「ごめん」と言えればたいしたもの。

 何も悪いことをしているわけではないんです。でも、相手がイラッとしているなら、「ごめん」と言ってしまうのが理想です。

 人混みですれ違いざまに肩がぶつかってしまったとき、自分が悪いわけじゃなくても「ごめんなさい」と言ってしまったほうがいいじゃないですか。それと同じです。すぐに「ごめん」と言われると、相手もそれ以上責めようとは思いません。

 さらに「どこを直せばいい?」と下手に出つつ、折れない心をアピールします。そこまですれば、奥さんも「自分の言い方が悪かったかな」とちょっぴり反省してくれるでしょう。口には出さないと思いますが。

 やらなきゃやらないで怒られる。やったらやったで怒られる。

 ま、そういうものだと思って、したたかに共働き人生を歩みましょう。

(撮影/鈴木愛子)

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