残業時には急なトラブルを回避する対策を何重にも取っておく

 このように、残業したい場合には認可保育園の通常の保育時間では間に合いません。

 解決方法として考えられるのは、

1.ママ&パパで、残業のない方がお迎えに行くように調整する

2.保育園の延長保育を利用する

3.ファミリー・サポート・センターやベビーシッターを利用して二重保育をする

4.祖父母や親戚、友達に助けてもらう

などです。

 ママ&パパの働き方、仕事の事情、保育園の保育時間、二重保育を頼める人材・サービスの有無などを考え合わせて、自分たちが納得でき、かつ、子どもに無理が掛からない方法を選ぶようにします。両立生活では、実際にはいろいろな事態が起こり得るので、何が起きても臨機応変に対応できるように、いくつかの方法を準備しておくのが賢いやり方です。

ママ&パパの仕事の様子を見て、ルールを決める

 例えば、「パパは基本的に帰りが遅く、ママは時々残業をすればなんとかなる」という場合、月に数日、あるいは週に何回かママが残業する日を決めておき、その日だけはパパがお迎えに行くというのもよいでしょう。「●曜日はママの残業デー」と決めたら、パパも急な事情がない限り約束を守るようにします。曜日が決まっていると、それを頭に置いて仕事を進められるので、お互いにやりやすいようです。インターネット上のカレンダーを利用して、お互いの都合を常に調整しているママ&パパもいます。

夜遅くまでの延長保育は便利な半面、生活リズムが崩れる原因にもなる

 ママ&パパのどちらも通常保育のお迎えでは間に合わない日が多い場合には、月決めの延長保育の利用が適しています。保育園の延長保育のメリットは、夕方6時ごろに補食(おやつ程度)あるいは夕食を提供してもらえることです。夕食を園で食べてくれると親の立場からするととてもラクですが、家で子どもと一緒に夕食を食べたい場合は、補食(おやつ程度)にとどめてもらうといいでしょう。

 夜8~10時までの延長保育がある場合、残業に備えて、遅い時間までの枠を確保する人もいますが、そうするとズルズルとお迎えが遅くなって、子どもと過ごせる時間が極端に少なくなる恐れもあります。ママ&パパで相談して、無理のない生活リズムを確保した方が、親子ともにストレスが少なくなります。

 通常のお迎え時間を、通常保育時間あるいは短めの延長保育時間に設定しておき、必要に応じてスポット保育を利用するのもよい方法です。ただし、スポット保育の予約が先着順で大変な競争になるところもあるので、どんな状況なのか園に確認しておきましょう。

二重保育者は、できるだけ同じ人にお願いする

 二重保育者の手配は結構骨が折れます。特に「毎日」というと、同じ人に来てもらうのは難しいでしょう。毎日必要であれば、2~3人の交代でシフトを組みます。ママ&パパの都合がつかない日、あるいは決まった曜日のみという利用法であれば、比較的ラクにお願いできる人が見つかるでしょう。

 二重保育者は、

1.ベビーシッター

2.ファミリー・サポート・センター

3.二重保育をしてくれる認可外保育施設

 などで探します。

 「1」と「2」は2時間以上の利用が基本である場合が多いので、時間配分を工夫します。夜8時まで保育が必要で、保育園には7時までの延長保育があるという場合、二重保育者には5時や6時に保育園にお迎えに行ってもらいましょう。すると、二重保育が2時間以上の利用になり、かつ保育園の延長保育を利用しないで済みます。

 二重保育者はなるべく信頼できる人を見つけて、毎回違う人にならないようにした方が親も子もラクです。ベビーシッター、ファミリー・サポート・センターの利用についての詳細は、こちらを参照してください。また、他人に家に来て見てもらう場合の注意事項この連載で後ほど詳しく説明します。