「ルンバブルな家具」って何!?

 今回試用したのは「ルンバ780」。購入支援サイト「価格.com」の掃除機カテゴリーでこの2年間、売れ筋ランキングのベスト3に入り続けているルンバの最上位モデルだ。

 ルンバを使用したのは自宅。一般的なマンションで階段はない。リビングとキッチン、洗面所、寝室、子ども部屋、自分の仕事部屋は、段差なく廊下でつながっている。できればこれらの部屋をくまなく掃除してほしいのだが。

 まずリビングの隅に「ホームベース」と呼ばれる充電器を設置し、その上にルンバ本体を置いた。充電し終わるとバッテリーランプが黄色から緑に変わる。緑になったのを確認して、本体中央にある「CLEAN」ボタンを押す。明るい電子音が流れ、ルンバがホームベースから動き出した。

部屋の隅にホームベースを設置した。掃除が終わるとルンバは自動的にここへ戻って来て充電を始める
部屋の隅にホームベースを設置した。掃除が終わるとルンバは自動的にここへ戻って来て充電を始める

 興味津々で見ていた妻の第一声は「意外に音が大きい」。確かにしっかりした動作音が聞こえてくる。「ルンバに掃除を任せて、同じ部屋でテレビを見ているわけにはいかないわね」

掃除中のルンバ。壁際を移動することが多いのは、そこが埃がたまりやすい場所だからだという
掃除中のルンバ。壁際を移動することが多いのは、そこが埃がたまりやすい場所だからだという

 戸井田さんによると「普通の掃除機よりは音は小さい」そうだ。「一般的なキャニスター型掃除機は常に自分の後ろにあるし、自分が掃除をしているので音が気にならないんですよ」。確かに普通、家族が掃除機をかけている部屋でテレビを見ようとは思わない。そもそも不在の時にタイマー設定で稼働させるなら、もっと大きな音でも問題はないはずだ。

 部屋を掃除して回るルンバをずっと見続けると、ランダムに動いているように見える。壁に近づくとスピードが自動的に落ちる。ソフトに壁にぶつかった後、方向を変え、壁に沿うように動き始めた。部屋の隅の埃を取っているのか。

 セールス・オンデマンドに確認したところ、「ルンバは最初の10分間で部屋の状況を確認し、その後、掃除する範囲がフロアの100%になるように動く」。軽い埃は部屋の壁際にたまりやすいので、壁際や隅を重点的に掃除するそうだ。

 ソファの下にも入っていく。掃除をするのが面倒な場所だけに「これはいいわね」と妻。測ってみると、ソファ下の空間は高さ13cmだった。説明書には「幅39cm以下、高さが10cm以下の場所は、ルンバが入り込めないために、清掃できません」と書いてある。わが家では実用上の問題はないようだ。ちなみに最近では、ルンバが下に入れる家具のことを「ルンバブルな家具」というらしい。

狭いソファ下も入り込んで掃除する。ルンバが下に入れる家具を「ルンバブル」というそうだが、わが家のソファもルンバブルだった
狭いソファ下も入り込んで掃除する。ルンバが下に入れる家具を「ルンバブル」というそうだが、わが家のソファもルンバブルだった

 リビングをひととおり掃除した後、ルンバはホームペースへ自動的に戻っていった。22分31秒。廊下へのドアは開いていたが、外へ出て行くことはなかった。

 だが、翌日、ルンバは違う動きを見せた。