●雑談で「お迎え」事情を知ってもらう
普段から相手にそれとなく伝えておくとよいのは、保育園のお迎え事情です。
認可保育園がお迎え時間に厳格で、預かり時間を延長するためには事前に申請が必要だったり、そもそも延長保育がなかったりすることや、認可外保育園でも延長すると延長料金がかかってしまうことは、子どもを保育園に通わせた経験がある人以外ほとんど知られていません。
なので、こういった事情を普段の世間話でしておくことが大切です。すると、相手が気を使ってくれて、「あれ、○○さん、もうお迎えじゃないの?」と言ってくれることもあります。
●帰ってしまう
それでも、退社時間5分前に仕事を押しつけてくる人はいます。
そんなときは「すみません。続きは明日やります! 保育の延長が急にはできないので、子どもの迎えに行かなくてはいけないのです。ごめんなさい」と明日取りかかることを告げ、やれる部分だけ手をつけて帰宅してしまいましょう。
このときのポイントは「謙虚」です。たとえ、心ではイラッとしても、申し訳ない気持ちを伝えましょう。
これを数回繰り返すことで、相手は「退社時間5分前に仕事を振っても本当にできないのだ」とわかります。
この方法で、いつも退社5分前に仕事を振ってくる人が、時間を考えてくれるようになりました。
●「すぐには取りかかれませんが、それでもよろしいでしょうか?」
仕事を頼まれたら、すぐに引き受けるのではなく、「今、この仕事をやっていて、すぐには取りかかれませんが、それでもよろしいですか?」と確認しましょう。
それで困るのであれば、相手は自分でその仕事をやるか他の人に依頼するので、闇雲になんでも押しつけられることは減ってきます。
●優先順位を考えてもらう
仕事を押しつけられそうになったとき、自分の仕事が止まることで、会社や上司にどれだけの損害を与えるか相手に説明できれば、最も効果的です。
押しつけられる仕事というのは、誰にでもできそうなものが多いです。
だから、自分がその仕事を優先すると、どの仕事が止まるかを伝えて相手に考えてもらうとよいのです。
たとえば、経理の私は、「その仕事を優先すると、他社への支払の仕事が止まります。いかがでしょうか?」と話したところ、退散してくれました。
「他社への支払」といったことでなくても、「今、○○の書類を△△部長から催促されているのです」などと、上司から依頼されている仕事があることを伝えると、相手はどちらが重要なのかを考えるので(ほとんどの場合、他人に押しつけるぐらいの仕事は重要ではありません)、たいていは「じゃ、他の人に頼むよ」ということになります。
●自分で言いにくいときは上司から伝えてもらう
相手によっては、それでもなお、引き受けないあなたが悪いというように、仕事を押しつけてくる人がいます。
また、相手の役職や年齢によっては、お断りを繰り返すのが難しい人もいるでしょう。
そんな場合はひとりで解決しようとせず、上司に相談するのがおすすめです。
仕事の押しつけは、直属の上司やうるさい人がいないときなど、タイミングを見計らって巧妙に起きることもあるのです。
上司からすれば、あなたから相談を受けてはじめて、そうした事情を知る場合もあります。課内で本来の仕事がスムーズに進まなくなれば、上司にとっても仕事に支障をきたすことになるので、課としても問題が生じることになるのです。そのため、まずは状況を直属の上司に知ってもらうのが一番です。
私も直接相手に話しても解決しなかった場合、上司から話してもらったり、自分の上司から、仕事を押しつけてくる人の上司を経由して解決することがありました。 自分と相手で解決できない場合は、我慢するのではなく、こういった変化球も持っておくとよいと思います。
<『「働くママ」の時間術』(著・馬場じむこ/日本実業出版社)から転載>
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