あなたは日々の仕事や子育てに追われ、「不機嫌」にはなっていませんか。不機嫌なときには決まって何かに怒っているか、疲れ果てているか。迷いや悩みを抱えているときも機嫌よく、とはいかないものです。ワークライフバランス・コンサルタントの著者がこれまで接してきた多くの女性たちの悩み、夫と二人で一男一女を育てた自身の経験をもとに編み出した、「不機嫌」ループからの脱出方法を書籍『脱・不機嫌な女』から厳選してお伝えします。

 21世紀に入るまでは、家事・育児に理解のある男性というのは、男女平等とか男女共同参画などの「先進的な思想」を持つ人が多かったように思います。フツーの男性の考えを変えていくことは大変だったのですが、今やイクメン、弁当男子、家事メン、イケダン、ソフリエなどの言葉に象徴されるように、男性の家事・育児は市民権を得ています。ちなみに、「イケダン」とは、おしゃれで仕事をバリバリとこなしながらも、妻や子どもを大切にしているイケてる旦那のこと、「ソフリエ」はソムリエならぬ孫育てに積極的な祖父を指します。

 市民権を得たのですから、あとは思いやりとヤル気だけの問題となっているのです。ところが「だけ」とはいえ、そこがなかなか難しいようです。

 そこで、まずはダブルインカムの必要性を考えてみましょう。気持ちの問題だけではなく、家計や子どもの教育、老後といった将来設計を見すえることで、共に働くことの意義がおのずと見えてくるからです。

 最近は、「寿退社」こそ減っていますが、女性が子どもをもうけても働き続けることは、まだまだ当たり前とは言えません。長時間労働、保育所の待機児童問題、制度は整っていても実際に取得することは困難な育児休業など、出産を機に辞めざるを得ない理由はいくらでもあります。

 また、男性と同様の学歴やスキルを持ち、職場では対等に仕事をしてきたにもかかわらず、家庭に入った女性は社会から取り残されたような焦燥感を抱く傾向がうかがえます。なぜ、夫だけがイキイキと仕事をし、私は夫に養われなければならないのかと……。

ダブルインカムは最大のリスクヘッジ

 終身雇用制の崩壊や低賃金、リストラ・合理化がいつあるかわからないといった状況を考えると、雇用環境がすぐに好転すると考える人は少ないでしょう。これから結婚し、子育てをしようとする若い世代では、正規雇用さえ高いハードルになっています。また、大震災を経た今となっては、自分の力ではどうしようもない大規模な災害に遭うことも想定内とするべきでしょう。

 一方で、病気や事故に備えるために生命保険や医療保険で充分な安心を買うとすれば、家計を圧迫するほどの保険料が必要です。