――子どもたちがどんな作戦を立てるのか、学校をあげて楽しんでやりましょう! 最後に、養護教諭として、家庭にお願いしたいことを一つ挙げるとすれば何ですか?

 「朝、子どもを笑顔で『いってらっしゃい』と送り出してほしい、それだけです。どれだけ家が忙しく、もめごとがあったとしても、おうちの人がニコッと笑顔で送り出してくれるだけで、子どもは元気に一日を始めることができます。

 朝から叱られて、下を向いて歩いてくる子はすぐ分かります。ちゃんとした朝ごはん、生活リズム、いろいろお願いしたいことはあるけれど、『朝を笑顔で始める』ことで、子どもの一日は変わると思うんです」

――私は子どもが寝ている間に出てくるのですが、せっかく会える短い時間にプリプリ怒っているのはいけないですよね。今日はありがとうございました。明日からも、岡部先生のステキな笑顔を子ども達にお願いします!

 

 入学式の式辞で、保護者の方に向けて「『早寝・早起き・朝ごはん』は子どもが元気に学校生活を送る基本です。それぞれ事情はあると思いますし、私も日々悩んでいます。知恵を出し合って、一緒にがんばりましょう」と伝えた。子どもたちの授業の様子を見れば見るほど、「早寝・早起き・朝ごはん」が重要だと実感する。働く親として「分かっちゃいるけど」と焦る気持ちを、「まずは『笑顔でいってらっしゃい』から」と言ってもらえると、少し楽な気持ちになる。

 笑顔で「いってらっしゃい」と送り出された子どもたちを、「おはよう!」と笑顔で迎える。

 家も学校も、大好きな場所。安心できる場所。自分の学校が、子どもにとっても教職員にとっても「みんなの居場所」になればいいな、と明日も門に立つ。

 小学校には、「愛あるプロ」がたくさんいる。

 民間から来たからこそ、本人たちも気付いていない「小学校の努力や工夫」がよく見える。何でこの苦労が、実践が知られていないのか、歯がゆい思いでいっぱいだ。

 そして、自分の子どもに頭を下げながら、学校の子どもたちに向き合ってきた「ママ教職員」「パパ教職員」が大勢いる。介護問題に直面する校長先生方も多い。親であり、子どもであり、教育者であるプロの実践や思いを、連載を通じて伝えていければと考えている。

 最後に、どんなにピリピリしていても、笑顔を作る魔法をご紹介して終わりたい。

 「ほっぺにタコ焼き!」

 口角を上げて目尻を下げると、頬がぷくっと膨らむはず。忙しい時ほど「ほっぺにタコ焼き」を乗っけて、笑顔で乗り切りたい。これは、合唱指導で声を響かせる時にも使う言葉だとのこと。

 ぜひ、みなさんもご一緒に!