「ママ・パパのどちらが休むか」、対立せず協調を

 まずは、有給休暇を取る人が多いと思いますが、有給休暇だけでは不足する場合は、看護休暇(無給である場合が多い)も取れます。育児・介護休業法は、就学前の子どもを育てる社員の申請があれば年間5日間(子どもが2人以上の場合は10日間)までの看護休暇を認めなければならないとしています。なお、厚生労働省が作成した「規定例」は、時間単位の取得も認める規定を例示し、時間単位または半日単位など制度を弾力的に利用できる配慮をするように求めています。

 「ママ、パパのどちらが休むか」は、直面するママとパパにとっては重大な問題です。家事分担と子どもの病気は夫婦喧嘩の火種の最たるものかもしれません。近頃はパパのほうが子どもの病気で休むことも、だんだんと市民権を得てきましたが、職場によってはなかなか理解してもらえないこともあるようです。しかし、仕事の責任の重さは男も女も同じ。お互いの仕事の都合を伝え合って、なるべく対立を避けて賢く協力し合いたいところです。「お互いの休みやすい日、時間帯を出し合って調整する」「休んだほうが残業や休日勤務をして仕事の遅れを取り戻せるよう休まなかったほうがサポートする」など、自分たちなりの体制を入園前に夫婦で作っておいてください。

実の親でも感謝の気持ちはしっかり伝えよう

 「おばあちゃんに飛行機で来てもらった」という武勇談もありますが、祖父母の協力を得るのは、基本的には近居が条件になるでしょう。祖父母といえども、いきなり病気の子どもを預けられても困ります。子どもが元気なときに何回か予行演習をして、慣れておいてもらったほうが安心です。高熱や嘔吐、下痢など心配な症状がある場合は、対応に困ってしまう恐れがありますので、無理をしないことが必要です。実の親であっても、お世話になったら感謝の気持ちをきちんと表現しましょう。

子どもが病気のときの「助っ人」は?

1.病児・病後児保育

 病児保育は、急性期(これから症状が高進していく時期)の病児も受け入れる保育のことを言い、病後児保育とは回復期の病児のみを受け入れる保育のことを言います。最近は、あまり区別されない傾向もあります。病児・病後児保育は、保育園や小児科医に併設されているものが多数で、専用の保育室で、専門の看護師や保育士が看護します。施設のリストは、市区町村の保育園関係資料やホームページでも案内されています。病児保育・病後児保育が近くに見つかった人は、育休中に事前登録をしておきましょう。パンフレットももらい、予約方法なども確認しておきます。

 受付のしくみは施設により異なりますが、

1.原則として事前登録が必要

2.当日、医師の診察を受け診断書を持参する

3.夜や当日の申し込みも空きがあれば受け付ける

 という形で受け付けている施設が多いようです。

<病児・病後児保育施設のネットワーク>

一般社団法人 全国病児保育協議会
http://www.byoujihoiku.net

一般財団法人 日本病児保育協会
http://sickchild-care.jp

図1 病児・病後児保育の申し込み