待機児童が多い都市部では、「保活」という言葉もすっかりなじんでしまいました。この保活とは、職場復帰を前に、保護者と子どもにとって最適な保育園を探し、入園枠を確保することです。早めに「保活」を始めた方が、自分たちの働き方、暮らし方にベストマッチな保育園が見つかりやすいはずです。「まだ早いかな」なんて思わず、積極的に動いてみましょう。

保活の第一歩は役所情報から

 「保活」の第一歩は、近くにどんな預け先があるのか情報を集めるところから始まります。でも、いきなりインターネットで検索というのは×です。

 というのも、子どもの保育をする場所やサービスにはいろいろな種類(制度)があって、その種類を知っておくことが重要だからです。インターネットだけで情報を集め始めると、その保育施設がどういう種類のものかが分からない場合があります。地味ですが、まず、市町村が発行する「○○市 保育園入園のご案内」など、役所が発行する案内を入手するのが、最初の一歩となります。

 この「ご案内」は、市区町村の担当窓口(保育課など)でもらえるほか、認可保育園や子育て支援施設などにも置かれている場合が多いでしょう。市区町村のホームページでも内容を掲載しています。ただし、役所のホームページは「作り」が悪くて、なかなか欲しい情報に行き着かなかったり、重要なところを見落としてしまったりすることが多いもの。妊婦健診で休みを取った日などに、役所の窓口に直接足を運んだ方が賢明です。

保育園探しの第一歩は住んでいる地域の役所窓口に行くこと
保育園探しの第一歩は住んでいる地域の役所窓口に行くこと

市区町村の窓口で係員から聞き出すべきこと

 「現在、妊娠中です。保育園のことを知りたいのですが……」と切り出しましょう。係員によって当たり外れはあります。どこに住んでいるのか、いつ生まれるか、いつ復帰するのかなど質問してくれて、どうしたらいいか親切に教えてくれるようなら「当たり」です(ただし、4月入園申請受付の時期である11、12、1月は窓口が混むので、細かい相談には乗ってもらえないかもしれません)。

 どんな係員に当たっても、最低限次のことはクリアしましょう。

1.地域の保育園等の入園案内を入手する

●「あなたが申請する時期の案内はまだできていない」と言われても、「現時点の資料で構いません」と言って、なんらかの資料を入手する。

●入園案内の中に、自治体が助成する認可外(認証保育所、横浜保育室など)や保育ママ(家庭的保育事業)、認定こども園などの情報も含まれているかどうかチェックして、含まれていなければ、「これらについてのリストも入っている資料をください」と請求する。

2.認可保育園の入園の難易度を質問する

●「入園できますか?」と聞いても「それは分かりません」と言われるので、直近の4月にどの程度入れたのか質問する。家の近くの認可保育園について、「何点以上の人が入れましたか?」「育休明けの人はだいたい入れていますか?」「パートタイマーの方は入れましたか?」などいろいろな聞き方をしてみよう(入園選考では、各家庭の状況を点数化して審査する)。

●何歳児クラスに入園するかによって競争率が異なるので、復帰予定時期で子どもが何歳児クラスへの入園することになるか確かめて、そのクラスでの難易度を聞く。

●4月以外の月に入園する場合(年度途中入園という)の入園の難易度についても確認する。

3.その他

●分からないことはなんでも遠慮なく質問しよう。

●その係員が「当たり」の人だったら、後日また相談できるように、名前をチェックしておこう。