保育施設は主に5種類ある

 一般的には、国や自治体などがお金を出している公的な保育には、“安心マーク”が付いています。国や自治体からお金が出ているということは、

1.基準があってそれを満たした施設であることの証であり、

2.定期的に指導監査などが行われているはずであり、

3.保護者が払う以上のお金を掛けたサービスが子どもに提供されている、

 と言えるでしょう。

 次の項目を見て各施設の特徴を知りましょう。

認可保育園

 認可保育園は、法令上の名前を「保育所」と言います。認可保育園は、国の定める基準を満たし認可を受けた保育園のことで、園舎や園庭などの外形が幼稚園と比べても遜色がないところが一般的です。保育料は、子どもの年齢と世帯の所得に応じた金額が市町村によって決められています。このため、中間所得層では認可外よりもかなり安い金額になり、きょうだいについても、第2子が半額になるなど大幅な減額があります。公立と私立(民間)があり、公立の中には、運営を民間委託した公設民営園もあります。認可保育園は、市町村に入園を申し込み、定員を超える申し込みがあった場合は、市町村で必要度を基準とした選考が行われます。

認可外保育園

 認可保育園以外の保育施設を認可外(無認可)保育園(保育施設)と総称します。認可外保育園には、自治体が基準を設けて補助金を出している自治体助成施設(東京都の認証保育所や横浜市の横浜保育室など)、企業や病院が従業員のために設けている事業所内保育所、補助金などを一切受けないベビーホテルなどの認可外保育施設があります。保育料は施設ごとに決められています。入園の申し込みは直接施設に提出します。定員を上回る申し込みがあった場合の選考方法は、施設によって異なります。自治体の助成を受ける認可外は、自治体の基準を満たして補助金を受けているので、市町村の保育施設として認可保育園とともに情報は役所で提供されています。

認定こども園

 まだ数は少ないのですが、幼保一体化施設の認定こども園が少しずつ増えています。幼稚園認可と保育所認可の両方を受けている幼保連携型認定こども園のほか、幼稚園型、保育所型、地方裁量型などがあり、入園方法や保育料などは、市町村や類型によってさまざまです。2015年度に新制度が開始されると、認定こども園も、認可保育園と同様の手続きで入園を申し込むことになります。

幼稚園の預かり保育

 幼稚園は3歳児以上を対象に、午後2時ごろまでの保育を行っていますが、8割の園で希望者に「預かり保育」と呼ばれる、夕方までの保育を実施しています。保育時間、保育日などがママ&パパの働き方に合えば、就労家庭も利用できます。

保育ママ(家庭的保育事業)

 保育ママは、もともと家庭(個人宅)で子どもを預かる保育で、国の制度としては家庭的保育事業といいます。3歳くらいまでの子どもを、1人で3人まで預かります。最近は、複数の保育ママが集まって、マンションの一室を借りて保育するなど、小規模な保育施設の形態を取っているものも増えています。利用を希望する際は、保育ママに直接申し込む地域と、市町村に申し込む地域があります。

預け先探しはなるべく早く。妊娠中、まず考えるべきは復帰時期

 これらの基本情報を集めたら、通園の距離、保育時間、受け入れ月齢、保育料などの情報を整理し、通えそうな預け先をリストアップします。候補にした預け先の口コミ情報やインターネット上の情報にも気を付けておきます。預け先を選ぶ前には見学することが必須ですが、これは産休や育休に入ってからでもよいでしょう。むしろ妊娠中に考えなくてはならないのは、復帰する時期です。待機児童が多い地域では、保育園の入園事情で復帰時期を決める人も多くなっています。

1.保育園は4月が一番入りやすい(卒園・進級による大規模な募集があるため)

2.1歳児クラスよりも0歳児クラスが入りやすい園が多い(1歳児クラスの募集は欠員補充だが、0歳児クラスは定員枠がすべて選考対象となるため)

 といった入園事情があるからです。

認可入園が厳しい地域では、認可外などにも申し込んでおくのが常識

 認可保育園の競争率が高い地域では、認可を希望しても入れないことが多いため、認可が第一希望でも自治体の助成を受ける認可外などに申し込みをしておくことが常識になっています。そのため、預け先の情報はなるべく広く集める必要があります。子どもが生まれた直後は、たぶん保育園のことを考える余裕はないので、妊娠中からある程度心積りができていると安心して過ごせるでしょう。

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