パターン(3)夫婦同時に育休を取得

ママ:育児休業取得中

パパ:3カ月半(例)の育児休業を取り、家事や育児をしたい

 このように主に3つのパターンの育休の取得方法がありますが、育休取得の手続きは簡単です。休みたい日の1カ月前までに、必要事項を書いた社内様式の書面を提出(会社によりメール等でも大丈夫なことがあります)すればいいのです。もし、会社に育休制度が整っていなくても権利はありますので、利用することができます。

 育児休業の申し出をした場合、会社は申し出た人に以下の3つを速やかに(おおむね2週間以内)に通知しなければなりません。

(1)育児休業の申し出を受けたこと

(2)育児休業開始予定日と終了予定日

(3)育児休業の申し出を拒む場合はその理由(雇用された期間が1年に満たないなど)。

育児休業は原則として1回だけ開始日と終了日を変更できる

 育児休業開始日と終了日は原則として1回だけ変更できます。

●開始日を繰り上げる場合

 育児休業を開始する日を繰上げる(当初の予定日より早く休業に入る)には、理由が必要です。それは、

(1)出産予定日より子どもが早く生まれた場合

(2)配偶者が死亡・病気やけがをして、子どもを養育することが難しくなったなどの特別な事情がある場合

 希望通りの日に繰り上げ変更するには、繰り上げて育児休業を開始しようとする日の1週間前までに会社に申し出ます。

●終了日を遅らせる場合

 子どもが1歳になるまでの間であれば、育児休業を終了する日を繰り下げる(当初の予定日より遅く休業を終える)ことができます。繰り下げるための理由は不要ですが、当初の終了予定日の1カ月前の日までに会社に申し出ます。

 子どもが1歳から1歳6カ月になるまで期間を延長する場合は、

(1)保育所に入所を希望しているのに入所できない

(2)子どもを育てている妻(夫)が死亡したり病気やケガで子育てできない

 という理由が必要です。この申出は2週間前に行わなければなりません。保育所に入所できない場合は、「市区町村が発行した保育所の入所不承諾の通知書など保育所において保育が行われない事実を証明することができる書類」が必要です。

 また、育児休業の申し出は育休開始日の前日までなら、理由を問わず撤回することもできます。ただ、撤回の申し出をした子どもについては、特別な事情がない限り、再び育児休業の申し出をすることはできません。

 特別な事情とは(1)配偶者が死亡した場合、(2)配偶者がケガや病気などにより子供の養育が困難な状態となった場合、(3)離婚等により配偶者が子どもと同居しなくなった場合です。

育休中は無給、雇用保険から賃金の50%支給

 育児休業は、労働者が適正に申し出ることによって、会社の承諾がなくても休業できるというものです。上記の通知がされなかったとしても、育児休業することができます。

 育休を取るうえでの大きな心配は収入ですね。育休中は無給ですが、雇用保険に加入していれば育児休業給付として賃金の50%が支給されます。また、社会保険料の免除などの経済的支援があります。または自治体からの奨励金や会社からの支援金が支給されるケースなどもありますので、確認しておきましょう。

 とはいえ、通常勤務しているときよりも収入はダウンします。妊娠中から育児休業中のマネープランを立てておくと、慌てないで済むでしょう。

ポイント

・原則として1年間の育児休業を取ることができる

・育児休業開始日と終了日は原則として1回だけ変更できる

・育休中は無給だが、雇用保険から給料の半分の額が支払われる

・パパの育休と組み合わせると、最長1歳2カ月まで取得できる