現在、株式会社「東京ドーム」で広報を担当する岩瀬奈穂さん(38歳)。奈穂さんと出会ったきっかけは、友人と私が主催するワーママ会「Workingmama party」に、彼女が参加してくれたことでした。あまりにも穏やかで愛らしい外見だったので、その向上心とリサーチ力が半端ではないパワフルママだと気付いたのは、実は最近のこと……。

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保活時代にリポート用紙2枚の理由書を添付!!

藤村 最初に保育園を見に行ったのはいつごろでしたか?

岩瀬さん(以下、敬称略) 出産後すぐですよ! 保育園を何園か見学して志望先を決め、申込書を提出するときは、市長宛てに理由書を付けました。リポート用紙2枚分、みっちりと。

 申込書には元から申し込み理由記入欄があったのですが、「欄が足りなければ別の場所に書いていい」というただし書きがありました。「それなら書きましょう」と(笑)。

 「出産前の仕事内容」「同じ職場に復帰すること」「通勤に1時間以上かかること」「夫の仕事内容と帰宅時間が遅いこと」「父方の両親も毎日は頼れない状況で、自分の両親は地方にいること」……、そんなこんなをすべて書き連ねました。「勤務先:東京ドーム」と書くだけでは、現状がまったく伝わらないじゃないですか。

――なるほど。私の場合、入園の申し込み時期には既に復帰していたので、実際の超過勤務時間が明記された勤務証明書を提出することができました。復帰前に申し込む人にとっては、勤務状況の厳しさを伝える理由書を付けた方が、確かにいいかもしれない……。

岩瀬 とにかく「理由書を付けていい」と書いてあったので(笑)! それが効いたのかどうかは定かではありませんが、第2希望の公立認可園に入ることができました。

最大の試練だった、復帰半年後の“熱性けいれん”

――職場に復帰して4年が経ちます。今までで、一番しんどかったことは何ですか?

岩瀬 職場復帰して約半年後、朝に息子の熱が高めだったので義理の両親に預けて会社に向かいました。すると職場で携帯が鳴って……。「息子が熱性けいれんを起こし、救急車で運ばれた」と。既に息子は病院のベッドにいて、容態が一段落したところでした。

 勤務先が病院に近い夫が私より先に息子と対面し、私が息子の元にたどり着いたのは最後。一瞬、心が折れそうになって……。「私、何のために仕事をしているのだろう?」って。

 その後、容態は回復しましたが、“熱性けいれん”を一度経験すると、保育園で検温したときに熱が37度5分あると、すぐに保育園からお迎え要請の電話が来るようになるんです(37度5分以上の熱があっても、まずは「園で様子を見る」という園も少なくない)。

 そのため、以来、朝の時点で37度5分近くあるときは、保育園に預けずに義理の両親に保育をお願いするようになりました。そして、時短勤務の取得が許される小学校入学前までは、時短勤務を続けることも決意して。そもそも、出産前から、仕事と家庭で迷ったら、必ず家庭を選ぼうと決めてはいたんです。