塾の送迎、学校説明会、出願や本番の付き添い…。忙しい共働き世帯の中学受験では、夫婦のいずれかだけがすべてをやることは非常に困難だ。今回はわが子の塾生活スタートから、合格までの実践的なアドバイスを体験談とともに紹介する。

東京国際フォーラムで開催された首都圏の私立学校の合同説明会。夫婦で参加した家庭も多かった
東京国際フォーラムで開催された首都圏の私立学校の合同説明会。夫婦で参加した家庭も多かった

 中学受験を決め、子どもが小学生になった段階で次にしなければならないことは塾選びだ。最近では小学校低学年をターゲットにした中学受験塾もあるが、いつごろから通わせる必要があるのか。

 「低学年のうちは学習の下地づくりで大丈夫。3年生の2月ごろから塾に通い始める場合が多いですね。中学受験はテクニックが必要なので、5年生からでは子どもにプレッシャーもかかるので厳しくなります」と中学受験のエキスパートで「お母さんの勉強室」「花マル笑子塾」を主宰する吉本笑子さんは指摘する。教育ジャーナリストの杉山由美子さんも「共働き世帯の場合、4年生になると学童保育がなくなるのを契機に塾に通い始める子が多いです」と話す。“受験組”の多くが4年生から塾に通い出すことを考えると、3年生のうちに受験するかどうかを夫婦で話し合って決めておくべきだろう。

受験塾は3つのタイプから子どもに合ったものを

 中学受験向けの塾には大きく分けて3つのタイプがある。

 1つめは大手中学受験塾。首都圏でいうとSAPIX、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚などがこれにあたる。中学受験に関する情報量が豊富で、難関校志向の強い子どもが集まりやすい。

 2つめは地元の小規模塾。特定の学校へ多数の合格者を出しているなど、独自の強みを持っているところもある。受験の実績や教材の内容、カリキュラムをよく確認しておきたい。

 3つめは講師1人につき、生徒が1~2人程度で指導を受ける少人数制の個別指導塾。受験対策と補習の両方を行う東京個別指導学院、受験指導を重視するTOMASなどが大手。最近は個別対応なので、親の都合を含めて授業を組みやすく、共働き世帯にとって子どもを通わせやすい。最近はSAPIX系のプリバートや日能研グループのユリウスなど大手中学受験塾もグループ企業で個別指導を実施している。