「共働きと中学受験」というお題で連載させていただきますアンダンテと申します。よろしくお願いします。

 うちには3人の子どもがいて、そのうち2人が中学受験をしました(現在は高2と中1)。私自身は昔、無策な中学受験をして全落ちした経験がありますが、逆にそれを生かす(?)というか慎重になりますので、子どもたちはそれぞれに「似合う」第1志望校に合格して楽しく通っています。

 中学受験はそりゃもう、面倒なこと大変なことがたくさんありましたが、よいこともたくさんあり、全体として親子の宝物になる体験だったと思います。そしてその、面倒なこと大変なことというのが、共働きだからだったのかというと、あまりそのように意識したことはないのですが……。

 それは、わが家で、「共働き」というものが、ほとんど息をするように自然で当たり前のものになってしまっているからかもしれません。二十数年間、産休や育休の間を除けばずっと夫婦で働いて、保育園時代や学童クラブ時代を乗り越えてきたのですから。

 もし、フルタイム共働きでいわゆる「(小学校の)お受験」をしようとするならば、それはかなりハードルが高そうです。あれは子ども自身というよりむしろ親の受験ですし、子どもを塾に行かせるにもすべて付き添い要ですから、大変ですね。

 中学受験は、まぁ実際のところ子どもの自立度がいろいろなのでフォローは必要にしても、原則子ども自身が勉強すればいいわけで、親が張り付いていなくてもいいんです。

 こう考えたらどうでしょうか……

 共働き生活の中で、子どもが生まれますと、とにかくまずは預け先を探す、確保するということが重要な課題になります。これは時に非常に困難ではあるのですが、いったん、しっかりした保育園を見つけて入園し、先生方との信頼関係も築けたあとは、案外守られた、平穏な、それでいて実り(子どもの成長)多い日々を過ごせるのではないでしょうか。

 ひとりの親が「稼ぎ」をメインに担当し、もうひとりの親が「子育て」をメインに担当するという分業制に比べると、ごく自然に夫婦で子育てができますし、プロの保育士のサポートもあって煮詰まらずに過ごすことができます。もちろん、日々の送り迎えをつないでいくのは本当に大変なことですけど。

 共働きの中学受験もそんな感じです。たぶん。

大概のことは何とかなるもの

 共働きだから大変な部分も、逆に助かる部分もあるんですけど、それはもうトータルで「こういう生活」として回っていくものなので、あまり共働きだからどうこうと考えることもなく過ぎていくように思います。