入りやすい自治体・入りにくい自治体

 普光院亜紀さんが代表を務める「保育園を考える親の会」が毎年実施している「100都市保育力充実度チェック」の調査で、認可の保育(認可保育園<保育所>、認定こども園、小規模保育など)に入れた子どもの割合が、昨年度より1.4ポイント改善しました。

 厚生労働省からは、2017年4月の全国の待機児童数は20万6081人で、2016年4月よりも2528人増加したと発表されています。

 しかし、この待機児童数では実際の入園の難易度は把握できないため、保育園を考える親の会は、新規に認可入園の申し込みをした児童のうち、認可に入園できた児童の割合である「入園決定率」を、独自の指標として発表しています。

 有効回答をした79市区の2017年4月の平均の入園決定率は74.2%。2016年4月よりも1.4%増加し、若干の改善が見られました。この調査の対象は、首都圏の主要市区と全国の政令市ですが、大都市部では自治体の待機児童対策の効果が現れ始めたところがあることが分かります。これに対して、全国の待機児童数の増加は、待機児童数の定義の変更や地方都市でのニーズ増が影響した可能性があります。

『2017年度版 100都市保育力充実度チェック』(保育園を考える親の会)より
『2017年度版 100都市保育力充実度チェック』(保育園を考える親の会)より

 東京都内の入園決定率の改善状況を地図で表したものが上図です。ピンクの自治体は非回答、白い自治体は調査対象外です。

 2016年度は50%台だった杉並区や世田谷区などが2017年度は60%台に乗りました。豊島区、北区、町田市、国分寺市などは、水色(90%台)や青色(80%台)になり、好転しています。一方、唯一赤く(50%未満)になってしまった港区は、港区保育室への入園者を含めると、60%台になります。港区保育室は、基準は認可保育園よりも緩いのですが、保育料は認可と同じに設定されています。

日経DUALのムック
これ一冊で保活がわかる!
「保育園に入りたい!2018年版」発売(税込1000円)
● パパと共有!「保活年間スケジュール」早見表
● もし待機児童になったら? すぐに打つべき「次の一手」
● 園が決まったらママの仕事復帰に備える
● 認可も認可外も「保育の質」格差が拡大!
● 認可と認可外園って何が違うの?
● 持ち運べる!「見学のチェックシート」

【日経BP書店で購入する】
【Amazonで購入する】