認定こども園で気を付けたいこと

 見学での園選びのポイントは、認可保育園の場合も認定こども園の場合も、基本は同じです。保育園を考える親の会でも、見学のポイントを掲げているので参考にしてください。

 一人ひとりの子どもを尊重した保育が行われているかどうかは、園の種類を問わず、最も重視しなければならないポイントです。

 ここでは、その他に認定こども園だからこそ共働き家庭が気を付けたいポイントを挙げておきましょう。

1)1日を通して充実した保育内容が考えられているか

 保育園では、昼食後は午睡(お昼寝)をして、起きたらおやつを食べ、その後、お迎えが来るまで、またひと遊びするという具合で、1日を通した生活のリズムや活動のメリハリが考えられています。一方、認定こども園では、幼稚園時間で帰る子どもと、夕方・夜まで園で生活する子どもが一緒に過ごします。そのため、中には、早く帰る幼稚園児中心の保育になっていて、午後の活動がおざなりなところもあります。午後の活動内容についても、話を聞いたり、見学したりしておくとよいでしょう。

2)長時間保育への配慮はあるか

 午睡の有無が問題になることもあります。認定こども園の中には、3歳以上児の午睡の習慣がないところもあります。保育園では午睡は日課であり、多くの園が年長組の前半くらいまで午睡の習慣を続けています。ただし、保育園でも5歳の初め、あるいはもっと早くから午睡をなくす園もあり、賛否は様々です。

 午睡の必要性は、子どもの年齢、体力、保育時間などによっても異なります。その子どもの成長や生活状態に合わせて午睡を調整してもらえるのが一番です。特に延長保育利用になりそうな家庭は、3歳以降の午睡について、どのような配慮や対応をしているかも聞いておくとよいでしょう。関連して、園として母親が働くことを応援してくれているかどうかも、チェックポイントです。

3)給食が外部搬入の場合もある

 幼稚園型の認定こども園の場合は、調理室がない場合が多いでしょう。外部から給食を届けてもらっている場合は、どんな業者から提供を受けているのかなどを確認しておくと安心です。

4)先生、保護者の関係はどうか

 困ったことに、先生たちが「幼稚園派」と「保育園派」に分かれて関係が悪くなっている園もまれにあります。園全体で保育方針などの共有ができていないと、保育の質も上げられません。

 また、保護者同士も働いていない親と働いている親が仲よくつながっている園もあれば、そうではない園もあります。保護者同士の関係が悪いのも、居心地がよくありませんし、余計な配慮が必要になり保育の質に響く場合もあります。

 外からは分かりにくいですが、色々質問してみると分かることもあります。

 認定こども園には、ライフスタイルが違う家庭が通ってきます。そのために、難しいこと、工夫が必要なこともありますが、その交流から生まれるもの、得られるものもあります。近くにあったら、一度見に行ってみましょう。

この記事の関連URL
保育園を考える親の会の「見学のポイント」 http://hoikuoyanokai.com/guide/nursery-visit/

(イメージ画像撮影/吉澤咲子)