保育園と幼稚園のよいところを併せ持つ施設?

 なぜこんな複雑なことになっているのか、少し説明しましょう。

 そもそも、認可保育園と幼稚園は、戦後に同時に制度が発足し、認可保育園は厚生労働省(当時は厚生省)管轄の児童福祉施設として、幼稚園は文部科学省(当時は文部省)管轄の教育機関としてそれぞれに発展してきました。

 認可保育園でも教育を行っているし、幼稚園でも預かり保育を行っているので、近年、両者の機能はますます似通ってきています。そこで、これらの制度を一つにしようと考えられたのが、認定こども園制度です。

 しかし、それぞれの制度や成り立ちの違いがあり、一体化は簡単ではありませんでした。紆余曲折を経て、2015年、「子ども・子育て支援新制度」が開始。就学前の子どもの教育・保育は現在のように再編成されました。新制度の説明では、認定こども園は、認可保育園と幼稚園のよいところを併せ持つ施設とされています。

 でも、厳密に言うと、認定こども園全体がそうなっているわけではありません。制度面で両方のよいところをとったと言えるのは、幼保連携型認定こども園だけです。

 保育園や幼稚園もそうであるように、認定こども園も個々の園による違いが大きいので、まず見学をして選ぶことが大切ですが、そのときに、その園が4つの型のどれに当たるのかは聞いておいたほうがよいでしょう。

認定こども園は、幼稚園と保育園の制度を一本化するために作られた(画像はイメージです)
認定こども園は、幼稚園と保育園の制度を一本化するために作られた(画像はイメージです)