みなさんこんにちは、治部れんげです。働きながら子育てしていると「男らしさ、女らしさ」の区分を疑問に思うことがあります。今回は、子ども達と一緒にこのテーマについて考えたことを書いてみます。

「女だけが活躍してもダメでしょ。男も活躍しないと」

 「ママ、何やってるの?」――。家で仕事をしていると、小学2年生の息子がよく寄ってきます。「講演の準備をしているの」。パワーポイントに文字を打ち込みながら答えると、横から覗き込んできて、言われました。「女だけが活躍してもダメでしょ。男も活躍しないと」。

 講演テーマは「女性活躍」、企業の組合役員を対象にしたものでした。昨年4月に女性活躍推進法が施行され、雇用主は自社の女性社員の活躍の度合い(例えば管理職の女性比率)を把握してデータを公開したり、増やすための計画を立てたりします。スライドのタイトルに「女性活躍」と書いたら「女だけじゃダメ」という指摘を受けたのでした。

 息子の言い分はもっともで、女性だけが頑張っても、子育てしながら働き続けるのは大変です。「伝統的な母親役割」、つまり家事や育児や介護といったケアワークを男性も分かち合わなくては、本当の意味で女性の活躍はあり得ません。女活法にも、そういった趣旨は書いてありますし、講演内容にも盛り込んでありました。息子の言葉に、なるほどと思い、スライドのタイトルを「社会における女性活躍、家庭における男性活躍」と変更しました。

 「これで、どうかな?」と息子に聞くと「うん、いいんじゃない」という答え。その後、同じキーワードを他の企画でも使っており、わりと好評です。

写真はイメージです
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「どんな仕事してるの?」「ママはいっぴきおおかみだよ」

 子どもの目を通して大人がどう見えるのか。聞いていると面白いです。ある日、遊びにきた友達から「どんな仕事してるの?」と尋ねられ、私が答えるより先に息子いわく「ママはいっぴきおおかみだよ」。

 数年前、息子が保育園児で「ライオン・キング」をよく見ていた頃、仕事や組織について動物に例えて話したことがあります。働くのは第一義的に食べるため。群れで狩りをする動物と、単独で狩りをする動物がいるように、大人の仕事もチームでやる時と一人でやる時がある。私の友人が管理職になった時は「○○さんは、“プライド”の女王になったんだよ」と説明したら、すぐに納得してくれました。