2015年に離婚した夫婦は約22万5000組。今や決して珍しいことではない離婚ですが、離婚後の経済面や子どもへの影響などの不安がある場合も多く、実際に経験するとテレビドラマ等のイメージとは異なる様々な誤解もあります。そこで、日経DUALでは、「子どものための優しい離婚講座 特集」を企画。夫婦関係や離婚にまつわる読者の実態を調査するとともに、読者の声をもとに専門家から離婚にまつわる誤解や決断する前に知っておきたい情報などを聞きました。

誰にでも起こりうる家庭円満の危機。今悩みに直面している人はもちろん、パートナーに多少なりとも不満を感じている人が、離婚前後の様々な手続きやリスク、養育費の現実、子どもの心への配慮など最低限の知識を得ることで、俯瞰した視点から冷静に自分にとって最良の判断をする一助となったり、あるいは、家族の大切さを見直すきっかけになればという思いで6回にわたり展開していきます。

今回9月中旬から開始した「夫婦関係と離婚」に関するアンケート。開始1週間で200通近く声が集まるという大きな反響があり、約3週間で、412人の貴重な声が集まりました。第1回では、7割以上が「離婚を考えたことがある」と答えたDUAL読者の本音や実態を探っていきます。

【子どものための優しい離婚講座 特集】
第1回 読者の7割が「離婚を考えた」 夫婦の実態調査 ←今回はココ
第2回 意外と知らない離婚イロハ 弁護士相談、調停、別居
第3回 「リコン」の三文字 パンダ親父にも意外と身近?
第4回 教えて弁護士さん「これって離婚できますか?」
第5回 親権の行方、ありがちなトラブル 養育費の現実
第6回 離婚or別居 子への影響を考えて親ができること

【アンケート概要】日経DUALの読者を対象に2016年9月15日~10月5日にインターネット上で実施。412人(女性357人、男性55人)の回答を得た。回答者の平均年齢は40.5歳。結婚している(離別経験なし)77.9%、結婚している(離婚経験あり)9.5%、離婚していない(離別)12.1%、結婚していない(未婚)0.5%。働いている88.8%(就業形態内訳:正社員75.7%、契約社員4.1%、派遣社員2.5%、公務員3.3%、パート・アルバイト6.8%、経営者3.0%、フリーランス3.3%、その他1.1%、無回答0.3%)、休職中8.5%、働いていない2.7%。回答者の子どもの人数は、1人が44.9%、2人が41.5%、3人が8.0%、4人以上が0.5%、いない5.1%。現在の配偶者との結婚歴は、1年未満0.8%、1年以上4年未満11.9%、4年以上7年未満28.1%、7年以上10年未満20.3%、10年以上15年未満25.0%、15年以上20年未満7.5%、20年以上30年未満4.2%、30年以上1.7%、無回答0.6%(注)記事中のグラフの数値で合計100にならないのは小数第2位以下を四捨五入しているため

7割超のママが離婚を考えた経験あり

 自身のキャリアを地道に積み上げながら、子どもの教育やグローバル環境に関心を払い、忙しい中でもできる範囲で自分磨きや家族で過ごす時間も大切にしている――。そんなパワフルなDUAL読者ですが、抱えるものが多いだけに、それなりのストレスや問題も抱えているようです。

(2016年日経DUAL調査による)
(2016年日経DUAL調査による)

 今回の調査で「これまでに離婚したいと密かに考えたことがありますか?」という問いに対して、73.1%が「考えたことがある」という結果に。男女別に詳しく見てみると、「ある」と答えた男性が69.6%、女性は73.8%となっており、離婚を考えた経験がある人は、女性の方が若干多い傾向が見られました。

 結婚年数別で見てみると、最も多かったのは「20年以上30年未満」の層で100%。続いて「15年以上20年未満」で88.9%、「15年以上20年未満」81.3%、「7年以上10年未満」77.0%、「4年以上7年未満」71.6%と続き、「1年以上4年未満」では59.1%、1年未満では33.3%と結婚年数とともに、家庭内不和が起こったり不満を感じたりする確率も高まっていく様子が分かります。

 「離婚を考えた」原因やきっかけについて具体的に聞いてみると。

(2016年日経DUAL調査による)
(2016年日経DUAL調査による)

 上位から、1位は「性格・価値観の違い」49.8%、2位「家事・育児分担の不公平」35.2%、3位「モラハラ(言葉の暴力など)」26.8%、4位「子どもへの教育観の不一致」21.3%、5位「性生活でのギャップ(セックスレスなど)」21.1%、6位「夫婦の会話がない」18.9%、7位「経済面(配偶者の収入が低い、生活費を家計に入れない、失業など)」18.2%と続きます。

 男女別で見てみると、男性で突出して高い項目は、全体1位の「性格・価値観の違い」に起因したもの(65.5%)。全体2位の「家事・育児分担の不公平」は、女性が39.9%ある一方、男性は3.6%に留まり、不公平感のある家事・育児分担が行き過ぎると、女性が離婚を考える要因となりやすいことを示しました。

 全体4位「子どもへの教育観の不一致」は女性のほうが大きな問題として受け止めており、セックスレスや意に沿わぬセックス要求など、全体5位「性生活でのギャップ」は、男性が離婚を考える要因として、女性よりもやや影響が大きいことが分かります。

【次のページからの内容】
・「離婚」の二文字が頭によぎったとき BEST3の赤裸々な声
・約2割が離婚を選択 離婚したいと考えた後の行動は?
・7年以上かかった人も! 離婚経験者に聞く離婚のリアル
・養育費の相場、離婚過程で苦労したこと
・離婚経験者の8割以上が「後悔なし」 決断後は前を向いて生きていく