末子が生まれたときに最大の死亡保障が必要。あとは減額するだけ
生命保険が必要になるのはいったいどんな人なのでしょう?
「わが家には5億円の貯金があります、という人には生命保険は不要です。買い物と一緒で、必要な時期に必要な保障を買う。自分が亡くなっても誰かの面倒を見ていない限り、保障は必要ありません」と深野さん。
「親の役目は子どもを社会に出すこと。ですから、子どもが生まれた日が死亡保険金の金額がピークを迎える瞬間です。そしてこの金額は、子どもが社会人になるまで減る一方です。本当に高額な保険が必要なのは短期間なんです」(深野さん)
2人目、3人目の子どもが生まれた場合は、「最初の子どもが生まれたときに3000万円、20年間の『定期保険』(掛け捨ての生命保険)に入ったとしましょう。次の子どもが生まれたら1000万円、10年分の定期保険を別に入るというように、結果的に金額が上乗せされるようにすればいいのです」(深野さん)。
例外としては「夫婦の一方が会社員から自営業者になって、厚生年金部分が無くなる。住宅を買って団体信用生命に入るなど、ライフスタイルが変わった場合も保険の見直しは必要になります」と深野さん。
深野さんは「加入する保険は、同じ会社のものでも、別の会社のものでも構いません。大事なのは、必要になったらその都度見直していくこと。『面倒だから、まず何かに入っておこう』と加入したまま放置するのは保険料のムダにつながります」と強調します。
保険金の受け取り方は「かたまり」or「月々払い」の2種類
共働き家庭の生命保険の目的とは、夫婦のどちらかに万一のことがあった場合でも、それ以前の生活水準を取りあえず維持し、新しい状況に慣れていくための経済的なサポートを得ることです。
家庭への経済的な寄与度に応じて、夫婦それぞれが生命保険に入ることが必要ですが、保険金の具体的な受け取り方については、「大きく2つの方法があります」と内藤さん。
1つ目は、先ほど深野さんの話で出てきたような、「3000万円の死亡保障」といった“かたまり”のお金で発想する方法です。「パパが亡くなった場合、長男の教育費として1000万円といったふうに足し算をして、必要な合計金額を『定期保険』の死亡保障金額に設定する方法があります」。
でも、中にはこんな家庭もあるのではないでしょうか? 妻と夫でそれぞれ普段の支出を分担し、月10万円かかる子どもの教育費はママが担当している。だから、ママが亡くなったときにはまとめて何千万円というお金が入るよりも、ママが負担していた月10万円に、ママが亡くなったことによって新たに必要になるベビーシッター代や家事代行代などを上乗せして月々20万円の保険金が入るようにして不足を補う、といった受け取り方のほうがイメージしやすいケースです。これが2つ目です。
内藤さんは「後者のように、『死亡保険金を日常のランニングコストとして考えたほうがイメージしやすい』場合は、死亡保険金が年金のように月々受け取れる『収入保障保険』を選ぶといいでしょう」と言います。
次回の【共働きならパパに定期保険。ママは収入保障保険】では、具体的な商品名を出しながら、さらに掘り下げていくのでご期待ください。
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