時代の波に乗れる資格とは何かを考えたとき、やはり注目すべきは「高齢化」に対応する資格。また、「女性活躍」が推進される中、育児をサポートする資格も見逃せません。
もちろん、革新していく技術分野にも有望資格は数多くありますが、ここではDUAL読者の皆さんがこれから目指すという点で現実的であり、これまでの経験と親和性があるものをピックアップしてご紹介します。
日本の人口の1/3が高齢者に。高齢化に伴いニーズが増える資格に注目
高齢化に伴い、様々な問題が発生します。それらに対処する専門資格が新しく登場しています。また、既存の資格が、ターゲットを高齢者にシフトすることで生きてくるケースもあります。
●健康維持、介護予防に貢献する資格
高齢化に伴い、健康維持・向上のニーズが高まるのは言うまでもありません。身体の内側(栄養面)、あるいは外側(身体機能面)から、健康維持の指導・アドバイスができる専門家は活躍の場を見つけやすいでしょう。
医療費や社会保障費を抑制するため、国や自治体が主導して病気・介護予防策に予算を投じるケースは多く、公的な仕事を請け負える可能性もあります。
「栄養面をサポートする『薬膳コーディネーター』や『マクロビオティック関連資格』など。今後はより資格が専門分化していくかもしれません」とキャリア&マネー協会代表の高村祐規子さんは話します。
「ヨガインストラクター」は、有資格者が増えておりスタジオへの就職は競争率が高い状況ですが、「介護予防」の効果が期待できるため、高齢者に向けたレッスンを展開する手があります。
「あるヨガインストラクターの女性は、分譲マンションを手がける不動産会社に売り込み、老人ホーム付きのマンションで定期的にレッスンを行う仕事を獲得しました。不動産会社側は『共有スペースでヨガレッスンを受けられる』というオプションを付けることで他物件と差別化を図れるとふみ、彼女と契約したのです。このように、マンションや高齢者施設の分譲、管理運営を行う会社にアプローチし、『独自のメリットを打ち出せるサービス』として自分の得意分野を売り込むのもいいでしょう。もちろん、ヨガだけでなく『薬膳やマクロビの知識を生かして入居者の食事メニューを監修』など、食事やその他のサービスからアプローチする手もあります」(高村さん)
なお、身体機能維持・向上に関連する資格には「体力指導士」「健康運動指導士」などもあるほか、趣味でダンスを続けてきた人であれば「インストラクター」の資格を持つのもいいでしょう。
ほか、これまで若い人向けが主流だったレッスンを、高齢者向けにカスタマイズして展開する道も。例えば、アロマテラピー、メイクなどは、高齢者の認知症予防効果にも期待が寄せられています。アドバイザーやインストラクターの資格を取得し、高齢者向けにレッスンを行う道があります。
「アイラインを引く動作一つでも脳神経を使います。化粧するという行為は、認知症の程度を軽減させたり、気持ちが明るく前向きになったりするなど、脳科学や心理学の研究で有効性が認められています。大手化粧品メーカーでは『化粧療法プログラム(お化粧教室)』も実施しています」(高村さん)
次ページから、まだまだある有望な狙い目の9つの分野をご紹介していきます。