住宅ローンを借りる際に、「繰り上げ返済で、残高をどんどん減らしていこう」と考えた人もいることでしょう。また、最近住宅ローンを借り始めた人は「今後、どのように繰り上げ返済をしていけばいいの?」と迷っているかもしれません。そして、超低金利時代に突入し、住宅ローンを借り換えることを検討している人もいることでしょう。共働き夫婦ゆえ、収入先が2つあるため、選択肢も色々と増えるもの。今回は、共働き夫婦の住宅ローンの“繰り上げ返済”と“借り換え事例”についてお伝えします。

【マイナス金利時代の住宅ローン特集】
第1回 マイナス金利時代の住宅ローン 今は借り時、返し時?
第2回 夫婦で住宅ローンを組む時に押さえておくべきこと
第3回  固定金利&変動金利…今さら聞けない住宅ローンのイロハ
第4回 離婚?収入減?夫婦で住宅ローンを組む時のリスク
第5回 繰り上げ返済は?教育費と老後費用との兼ね合い ←今回はココ

 繰り上げ返済をすると、利息分が浮くということで気になっている人も多いようです。日経DUALで実施したアンケートでは、読者が繰り上げ返済をどのようにしているか、どのように考えているかが分かりました。

Q:繰り上げ返済をしたことがありますか?
 はい  40%
 いいえ 60%

 繰り上げ返済をしたことがある人は4割。“したことがない”人のほうが多数でした。

Q:今後繰り上げ返済をする予定はありますか?
 はい 58.3%
 いいえ 9.9%
 わからない 31.8%

 繰り上げ返済をする予定がある人は6割近く。分からないという人は3割でした。

実は「繰り上げ返済」は、最重要項目ではない

 多くの人が気になっている繰り上げ返済ですが、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは、「今の時代はせっせと繰り上げ返済はしなくてもいい」と話します。

 「確かに、繰り上げ返済による利息軽減効果はあります。ところが、繰り上げ返済のメリットが大きかったのは、住宅ローンの金利が高かったときの話。でも、今は超低金利時代です。100万円を繰り上げ返済したところで、利息軽減分はそれほど大きくありません。それよりも、今後の教育費など、色々お金がかかる時期に足りなくなり困ることがないように、ためておくことも重要なのです

 読者へのアンケートでも、子どもの将来の教育費(小学校~大学)についての考えを聞きました。教育費と住宅ローン返済の両立について、大丈夫だと考える人が3割いる一方、心配している人が4割以上に上ります。

<次ページからの内容>
・繰り上げ返済で”トク“になるのはいつ?
・共働き夫婦の借り換えケーススタディー
・住宅ローンで成功するかどうかで、今後が変わる
・「家計カツカツ」「銀行で後悔」・・・読者の失敗談