グローバル教育が叫ばれている昨今。未就学児や小学校低学年の児童を持つDUAL読者の家庭でも、「将来は世界で活躍できる人になってほしい」と願う人は多いかもしれません。そんなとき、親の頭をよぎる「留学」という言葉。ただ、まだ子どもが小さいうちから、いつ、どの国に、何を目的として、どのくらいの期間留学をさせればいいのかを明確に思い描き、計画をしている人は少ないかもしれません。

いつごろ留学させるのが一番いいの? 外国語をネーティブ並みに話せるようになるにはどれくらいの期間行けばいい? 結局、留学は就職に役立つの、役立たないの? お金はどれくらいかかるの? など色々と“もや”がかかっている留学にまつわる疑問点を、5本の記事でクリアにしていきます。“いつか”の留学を一番賢く経験させるために、今、親ができることとは一体何なのでしょうか?

第1回は、親世代が学生だった20年前と現在とで、留学の意味はどう変わったかを、233人の方へのアンケート結果と公的機関のデータ、長年留学業界で活躍されてきた教育専門家のお話を基に読み解いていきます。あなたのその常識は、もう古い、かも!?

【今どきの海外留学特集】
第1回 親の時代とは違う! 今どきの留学事情データ解析 ←今回はココ
第2回 留学種類の徹底比較 気になる治安とコスト
第3回 最も高コスパの留学は「高校&大学で1年ずつ」
第4回 成毛眞 留学なんてはっきり言って時間とお金の無駄
第5回 うちの子を留学難民にしないため親が守るべき5カ条

※「DUAL人気特集シリーズ/2016年6月の記事を再掲載してお届けします」

DUAL読者の9割以上が「子どもに留学させたい」

 突然ですが、あなたはお子さんを留学させたいと思いますか? 「それはいつごろ?」「どんな形で?」「どの国へ?」「なぜ行かせたい?」……、こんなふうに畳みかけられると、「まだ分からない」と答えに詰まってしまう方が多いかもしれません。そこでまず、DUAL読者を中心に、中学生以下のお子さんを持つ233人にアンケートを取った結果を見てみましょう。

 この質問に対しては、実に93.9%が留学を「させたい」「できればさせたい」あるいは「既にさせている」と答えています。一方で、「あまりさせたくない」という人はわずか1.4%。「絶対させたくない」という回答に至ってはゼロでした。親世代のほとんどが、留学に対しポジティブなイメージを抱き、いつか子どもに留学を経験させてみたいと思っていることがはっきりと浮かび上がってきます。

 では、親自身の経験はどうだったのでしょう?

 親世代で留学経験が「ある」と答えた人は60.1%止まり。しかし「ない」と答えた人のうち「してみたかった」と答えているのが28.3%。この合計が88.4%と、子どもの留学を希望する親の数とほぼ一致します。親は自分の経験を基に、子どもに「いつか留学してほしい」と希望していることがうかがい知れます。

 しかし、実は子ども達の意識は、親の希望とは大きく異なるようです。