新学期を迎えた環境の変化を受けて、子どもの放課後の過ごし方を見直す家庭も多い時期。特に3、4年生になると学童も卒所を迎え、習い事を見直したり、安全に自宅で留守番ができる環境を整えたり、中学受験に向けて学習塾に通い始めたり……。親の帰宅時間や子どもの生活面で無理なく、1週間のリズムを整えるために試行錯誤しているDUAL読者もいるのでは。

 前回も取り上げた、日本の教育における大きな変化の波を受けて、単純に「テストの点数がいい」「受験を勝ち抜く力」ということ以上に、精神・経済両面での子どもの自立を後押しする「社会を生き抜く力」が求められます。

 そこで、「新・放課後の過ごし方」最終回では、プログラミング教室やディベート教室、ボーイスカウト・ガールスカウト活動といった「子どもの生きる力」を育む習い事について取り上げます。

【新・放課後の過ごし方特集】
第1回 DUAL先輩キッズの意外な放課後の実態
第2回 放課後の留守番 安全に、実り多い時間にするために
第3回 週2~3日は子どもに「やりたいことができる」放課後を
第4回 受験だけじゃない!脳を育む習い事
第5回 どんな社会になっても…生きる力を育む習い事 ←今回はココ

ゲームのように夢中になれるプログラミング教室

 サイバーエージェントのグループ会社であるCA Tech Kidsが運営する小学生のためのプログラミングスクール「Tech Kids School」。取材当日の渋谷校の平日夜クラスには、13人の小学生が参加。休日のクラスには各回70~80人、計300人以上の生徒が集まり、今もっともアツい習い事の一つです。それほど子ども達を魅了するプログラミング教室とは何なのか・・・それを探るべく執行役員の鈴木拓さんに話を聞きました。

 「プログラミングというと、少しマニアックな世界を想像されるかもしれませんが、実際来ているのは『サッカーをしていてプログラミングも好き』『ゲームが好きだから、自分でも作ってみたい』と、スポーツが好きな活発な子や遊び感覚で訪れる子が多いですよ。参加者は男の子のほうが多いですが、女の子も2~3割いますね」

 同スクールでは、独自に開発した”秘伝の書”と呼ばれる教材を使って、アプリやゲームを開発。1回の授業で1つの楽しいアプリやゲームが開発でき、楽しい雰囲気の中で、毎回達成感が感じられるよう工夫をしています。

 授業は、1人の先生が前に立って授業をする「一斉授業」ではなく、生徒一人ひとりが教科書を見ながら自分で取り組むスタイル。子ども達にとってはより近しい存在である理系の大学生達が、「メンター」として制作をサポートしてくれるのも大きな特長です。個人のレベルやペースに寄り添いながら、プログラミングの楽しさを最大限に伝えるために、2~3人の子どもに対して1人のメンターを設定。鈴木さんも教室の中では、「たっくん」と、子ども達から親しみをこめて呼ばれていました。

 メンターの「開発タイム、スタート!」の掛け声に合わせて、子ども達が「オー!」と拳を上げてレッスンがスタート。ミサイルを使ったゲーム、ことばクイズなど、一人ひとりの目標達成に向かって、真剣にPCの画面に向かいます。

 プログラミングというと、暗号のような英語が並び素人には理解不能、というイメージがありますが、米・マサチューセッツ工科大学で開発された、プログラム入力を必要としないテキスト入力のゲーム開発コースは、イラストと日本語の命令ブロックをつなげてプログラムを作ることができます。また「iPhoneアプリ開発コース」「2Dゲーム開発コース」「Minecraftプログラミングコース」など、アルファベットでのタイピングに慣れない子どももできる初心者向けから、本格的なプログラミング言語を用いた開発まで5つのコースがそろいます。

 「プログラミング言語の種類を問わず、プログラミングの世界の概念はだいたい同じ。1つのコースを学ぶことで、次に他の言語を使用した際、イメージはできているので、スムーズに進みやすいんです」

 <次ページからの内容>
 ・トライ&エラーを繰り返しながらも、目標を実現する力が付く
 ・相手に伝わり、人を動かすコミュニケーションを学ぶ「こどもディベート」 リーダーシップや行動力、思いやりを育むボーイスカウト・ガールスカウト