働くパパ・ママ337人によるアンケート調査で明らかになったDUAL読者のリアルな放課後の実態。調査では、習い事に求める要素として、「体力づくり」(46.3%)、「情緒・感性を豊かにするため」(36.5%)、「子どもの得意分野を伸ばすため」(32.0%)などと共に、「放課後の時間確保や居場所づくり」を選んだ人も24%いました。

 「小学生の放課後を、もっと楽しく有意義に!」をテーマに、全5回でお届けしている「新・放課後の過ごし方」特集。子育てのゴールは、突き詰めていくと「子どもが将来自立した人間になるため」。第4回では、今後の放課後の居場所の選択肢に加えたい、新時代に対応する能力を伸ばす習い事を紹介します。

【新・放課後の過ごし方特集】
第1回 DUAL先輩キッズの意外な放課後の実態
第2回 放課後の留守番 安全に、実り多い時間にするために
第3回 週2~3日は子どもに「やりたいことができる」放課後を
第4回 受験だけじゃない!放課後に、脳を育む習い事 ←今回はココ
第5回 どんな社会になっても…生きる力を育む習い事

日本の教育が根底から変わる!? 今から心に留めておきたいこと

 小中学生の子どもを持つ親にとって気になるニュースの一つが、2020年度の大学入試改革。具体的にはこれからどんな変化が待ち受けているのでしょうか。

 「記述式の新テストが導入される2020年の大学入試改革で求められるのは、『調べる力』『考える力』『表現する力』の3つ。2020年度の入試制度改革に焦点が当たっていますが、それ自体はあまり本質的なものではありません。この改革の背景には、暗記中心の勉強だけをしてきた人は、これからの時代には通用しないという危機感があることを知っておきたい。要は、世の中が大きく変わる中で、日本の世界での立ち位置も変わり、世の中で必要とされる学力がかつてのものと真逆になったということです」と、論理力を養成する教育に力を入れる“現代文のカリスマ”出口汪さんは解説します。

 「日本の伝統的な学習方法のベースは、実は江戸時代の蘭学。正解は西洋にあり、日本人はそれを翻訳して暗記することが学問とされてきました。教科書や先生が持っている答えを、いち早く暗記や模倣して処理できた人が優秀な人材だった。文系理系問わず、知識人になるためには翻訳能力が試される試験だったのが20世紀型の教育です」

 20世紀型教育を基盤に発展した日本。しかし、経済が熟成し賃金も欧米並みに近づいた今、全く新しい先進型のシステムでやっていかないと経済そのものが立ちゆかず、時代に必要な学力の要請に国も本腰を入れた、と出口さん。「今はあらゆる世界の問題に対して、誰も正解を持っておらず、情報を増やせば学力があるという考え方そのものが世の中で通用しなくなっています。しかし、現代の教育は江戸時代と大きく変わっていない。そこに大きな問題があります」

 21世紀型の教育でキーワードとなるのが、「クリティカルシンキング」。従来の価値観や先入観にとらわれず、様々な視点から多角的かつ客観的に物事を捉え、様々な可能性の中から最も適切なものを選び取る力のことをいい、国際バカロレア試験、学力調査試験、2020年以降の大学の入学試験など、21世紀型学力を求められるものへと方向転換していると、出口さんは解説します。

 「これからの社会で期待される人材像は、大学に入るための学力ではなく、高度な論文の読み・書きが可能な学力、社会に出て活躍できるための学力、生涯学習を可能にする基礎学力を持っている人です。幼児・小学生のころから教育を切り替えていかなければ、高校生になっていきなり真逆を受け入れようとしてもうまくいくはずがありません。今からしっかりと新しい教育を意識していきましょう」

 次のページからは、受験を越えた先に必要な能力を育む、習い事の現場に潜入します。

 <次ページからの内容>
 ・10手以上も先の展開が読める! 地頭と集中力が鍛えられる囲碁教室
 ・想像力を広げ、論理的な表現方法を身に付ける作文教室
 ・ゼロから新しい発想と形を作り出す、ロボット教室