2015年末に台湾北西部の桃園(トウエン)にウェスティンホテル&リゾートの「ウェスティン大渓リゾート・桃園」(The Westin Tashee Resort, Taoyuan)が誕生しました。世界中にあるウェスティンホテルの中でも最大規模の「ウェスティン・ファミリーキッズクラブ」を備えるなど、子ども連れのファミリーがより快適にステイできる工夫がなされているようです。オープンしたばかりのホテルを訪れたライター・阿部祐子さんが、大人も子どもも楽しめる新リゾートの様子を詳しくリポートします。

【親子宿泊券をプレゼントします!】
 この記事で紹介する「ウェスティン大渓リゾート・桃園」の宿泊券を抽選で、ご家族1組様(大人2名様・子ども1名様)にプレゼントします。詳しい応募要項は記事の終わりに掲載しますので、お楽しみに。

台湾少数民族の華やかなダンスでお出迎え

 ウェスティン大渓リゾート・桃園は、羽田空港からの定期便も毎日飛ぶ台北松山空港(TSA)より45kmの位置にある高原リゾート。空港から約1時間弱、バスに揺られホテルへ向かう道は緑豊かで、雄大な山や川など、まるで日本の田舎を訪ねたかのような心懐かしい田園風景が車窓に広がる。桃園という地名は、この地域に漢族の“客家”が移住した際、家の周囲に桃の木を植えたことが起源だという。

 ホテルの隣は27ホールのチャンピオンシップコースを持つ「大渓ゴルフカントリークラブ」の広大な敷地。山間部でありながらヤシの木が生い茂るその光景をバスの中から眺めながら、ここが南国の地であることを改めて思い出す。

白亜のエントランスとヤシの木がリゾート気分を盛り上げる
白亜のエントランスとヤシの木がリゾート気分を盛り上げる

レセプション。椅子にかけて優雅にチェックイン
レセプション。椅子にかけて優雅にチェックイン

ロビーラウンジでくつろぐ、中国からの滞在客
ロビーラウンジでくつろぐ、中国からの滞在客

 到着してエントランスホールを進むと、ロビーには今着いたばかりのゲストから滞在客まで、たくさんの人が集まっていた。カラフルな衣装に身を包んだダンサー達によるパフォーマンスがこれから始まるようだ。台湾には中国本土から移住してきた人々のほか、もともと住んでいた少数民族がいる。ここでパフォーマンスを行うのは、それぞれの伝統衣装を身にまとった少数民族の人々。歌と踊り、オペレッタ風の寸劇がすぐ目の前で迫力いっぱいに繰り広げられ、中国からのツアーでやってきた子ども達は歓声を上げながら夢中で鑑賞している。

 パフォーマンスが終わった後は、ある子ははしゃぎながら、ある子は恥ずかしそうに一緒に記念撮影をしていた。滞在のいい思い出になりそうだ。

パフォーマンスの終わりにゲストへあいさつに並ぶ少数民族のパフォーマー達。滞在中、何度かこのパフォーマンスを見る機会があった
パフォーマンスの終わりにゲストへあいさつに並ぶ少数民族のパフォーマー達。滞在中、何度かこのパフォーマンスを見る機会があった

屋外プールの周囲でくつろげば、ビーチリゾートの気分も味わえる
屋外プールの周囲でくつろげば、ビーチリゾートの気分も味わえる

客室からゆったりと山並みやリゾートの景色を楽しむ

 客室へ入ると、ベッドの上には小さな卓の上にお茶とお菓子が置かれた、台湾風のお出迎え。カステラ風のお菓子は子どもも好きそうだ。中国茶のおいしさはもちろんのこと、全客室にはイリーのエスプレッソマシンが標準装備され、好きなときに一息入れられるのも大人にはうれしい。

 ホテルは5階建てで、全205室。38㎡のデラックスクラスから220㎡のスイートまで広さは色々だが、シンプル&シックなインテリアで備品もスタイリッシュなため、感覚的には広く感じる。客室トイレに完備されたTOTOのウオッシュレットは中国語表示で、当たり前のことながらちょっと不思議な印象だ。

ウェスティンオリジナルのヘブンリー(Heavenly®)ベッド。茶器でおもてなしが現地流
ウェスティンオリジナルのヘブンリー(Heavenly®)ベッド。茶器でおもてなしが現地流

 お茶のティーパッグやエスプレッソマシンのカプセル、500mlのミネラルウオーター2本はルームクリーンの際に補給してもらえる。ミニバー(有料)には少量ながらお酒、クッキーなどもある。大人だけならこれで十分かもしれないが、ホテルの近くにはコンビニなどがない環境なので、子どもがお気に入りのおやつなどは日本から持参したほうがいいかもしれない。

 客室の電源プラグは日本から持っていったものをそのまま差し込めばOK。インターネットは無料(有線LAN)、スマートフォンなどの充電も問題なく行え、ホテル内は宿泊者専用のフリーのWi-Fiが利用でき接続も良好だった。広い館内では、SNSで家族間で連絡を取り合うのがいいだろう。

 ちなみに台湾は、市内のレストランなどでも無料Wi-Fiが利用できるところが多いようだ。

客室からの眺め。向こうの山まで見渡せる
客室からの眺め。向こうの山まで見渡せる

 客室は、雄大な山の景色を望む“マウンテンビュー”と、ビーチリゾートさながらのゆったりした屋外プールを見下ろせる“プールビュー”の2種類。どちらにも広いバルコニーが付き、のんびりと景色を見ながらテーブルで飲み物やルームサービスを楽しむことも。

 屋外プールでは、子ども連れでくつろぐのがぴったりの大きなデッキチェアやベッドも用意されている。森のリゾートにいながら水辺で遊んではプールサイドで休憩する、というビーチリゾートのような一日を過ごすこともできそうだ。

異文化体験にもなる「ウェスティン・ファミリープログラム」

 世界約40カ国に展開するウェスティンホテル&リゾートでは、ゲストの健康と幸福(ウェルビーイング)のために、独自のコンセプトに基づいた“おもてなし”に力を入れている。例えば地形を生かしたランニングコース、プールやフィットネス施設、そして抗酸化物質を豊富に含むとして話題の“スーパーフード”をいち早くレストランメニューに取り入れた「スーパーフードRxメニュー」はあまりにも有名だ。

ウェスティン・ファミリーキッズクラブは自然光が入る明るい雰囲気
ウェスティン・ファミリーキッズクラブは自然光が入る明るい雰囲気

 ウェルビーイングの一環として、ここウェスティン大渓リゾート・桃園では子ども連れのファミリーが滞在を楽しむ施設やプログラムを充実させている。館内の「ウェスティン・ファミリーキッズクラブ」を訪ねてみると……。

 入口はいわゆるキッズルームという雰囲気だが、その敷地は世界のウェスティンホテルの中でも最大の720㎡という広さ。子どもの対象年齢は3~12歳で、スタッフが常駐し、驚くことに宿泊ゲストは無料で利用できる。親子で遊ぶことも、スタッフに子どもを預けることも可能だ。小さな子ども用のお昼寝スペースも用意されている。

 部屋の中でまず目を引くのは、カラフルなボールがいっぱいに敷き詰められたボールプール。子どもが飛び込む姿が目に浮かびそうだ。少し大きな子は、図書室風のスペースで本を読んだり、お絵描きをしたりして過ごすことも。扉の外はプールに面した屋外スペースになっていて、ブランコや滑り台などの遊具もある。

色々な国の子と一緒に学び、遊ぶことができる(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)
色々な国の子と一緒に学び、遊ぶことができる(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)

天気のいい日はプールを望む屋外へ。プールとはフェンスで隔てられているので安心
天気のいい日はプールを望む屋外へ。プールとはフェンスで隔てられているので安心

 保護者と子どもが施設を自由に利用できるのはもちろん、専門スタッフが子ども向けに行うプログラムや、親と子で参加するプログラムも設けられている(一部有料)。

 「桃園は緑豊かなエリアです。大人と子どもが一緒に楽しめる、木登りツアーのような屋外のプログラムもあっておすすめですよ」とスタッフ。パンフレットには、親子のロープゲームや親子ヨガ、トレッキングなど魅力的なプログラムが並ぶ。

 プログラムには変更もあるので、あらかじめメールなどで問い合わせるか、チェックイン後にウェスティン・ファミリーキッズクラブのカウンターを訪れて、わが家向きのプログラムがあるか相談・予約してから滞在中の予定を立ててもいいだろう。

 プログラムの日本語対応(通訳)について聞いてみたところ、スタッフは「リクエストがあればできるだけ早く日本語にも対応したい」と答えてくれたが、基本は中国語と英語と考えたほうがいいかもしれない。ただ、普段と異なる言語でコミュニケートすることも、子どもにとっては貴重な経験になりそうだ。

ホテルではキッズ向けのクッキング・クラスが開催されることも(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)
ホテルではキッズ向けのクッキング・クラスが開催されることも(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)

チョコレート工場でトッピング、博物館で粘土細工

 日程に余裕があれば、ぜひチェックしたいのがホテル発の日帰りツアー(英語のみ)。こちらも予約時にメールで、またはチェックイン時にスタッフに相談してみよう。

 例えば、台湾で有名なチョコレート工場「チョコレート共和国」(Republic of Chocolate)を訪れ、見学とトッピング体験ができるツアー(半日)は、入場料大人200TWD(65歳以上100TWD)、子ども100TWD(1TWD=3.36円、2月24日現在)。ホテルからのタクシー代は1台片道350~400TWD。

 「チョコレート共和国」では地元の幼稚園の見学ツアーを楽しむ姿にも出会い、子ども達に人気のスポットのようだ。台湾でカカオ栽培が行われるようになった理由やチョコレート作りの方法などが楽しく展示され、社会見学気分が味わえる。展示には英語表記もあった。

40分の「チョコレートクラス」を体験中。完成品はお土産に
40分の「チョコレートクラス」を体験中。完成品はお土産に

 博物館(New Taipei City Yingge Ceramics Museum)を訪れて、館内の見学と粘土細工などの体験ができるツアー(半日)も。博物館は入場料無料、DIY体験は150TWD、ホテルからのタクシー代は片道350~400TWD。

DIYのテーマは期間ごとに変わる。難しいところはスタッフに手助けしてもらえる
DIYのテーマは期間ごとに変わる。難しいところはスタッフに手助けしてもらえる

 ホテルから出るのを機に、ドライバーに観光スポットや街中のおいしいレストランに連れていってもらっても。香り豊かな鍋料理など、ホテルとはまた違ったローカルな味が体験できる。

滋味たっぷりの客家の郷土料理「客家料理」。地元ならではの食事も体験
滋味たっぷりの客家の郷土料理「客家料理」。地元ならではの食事も体験

基本はホテルのホスピタリティーを楽しみ、半日、1日の観光がおすすめ

 フライト時間が短いアジアの国ということで、日本から台湾へのツアーといえば2泊3日の食べ歩き、買い物などアクティブに動き回るイメージが強い。

 だが、ウェスティン大渓リゾート・桃園は市街地からやや離れた郊外に位置し、高原リゾートと広いプールサイドでのビーチ気分を同時に味わえるうえ、施設が広くて充実したキッズプログラムを備えるなど子ども連れのファミリーへの配慮も行き届いている。同じ2泊3日の旅でも、ゆったりとリラックスしながら過ごせるだろう。

子どもの姿もあちらこちらに。家族でゆっくり滞在というゲストも多いようだ
子どもの姿もあちらこちらに。家族でゆっくり滞在というゲストも多いようだ

 子ども連れの滞在なら3泊4日くらいの期間にして、ホテルのホスピタリティーを最大限活用しながら、基本はホテルを拠点としたリゾートステイ、その中に1日、半日といった市街地観光でアジア文化を堪能するという過ごし方もおすすめだ。

館内レストランにて。抗酸化物質をたっぷり含む「スーパーフードRx」の料理も楽しみ
館内レストランにて。抗酸化物質をたっぷり含む「スーパーフードRx」の料理も楽しみ

 せっかくウェスティンに滞在するのなら、ママは子どもをパパに任せて、一人スパでマッサージといった日があってもいいだろう。館内にある「Westin Heavenly Spa®」のトリートメントは30分3200TWD~、1時間4200TWD~とリーズナブルな料金設定。仕事や子育てから離れて、極上のマッサージに身を委ねながらゆったりと過ごす時間は何よりのぜいたくだ。

 スパでリフレッシュした後は、子どもをウェスティン・ファミリーキッズクラブに預けて夫婦で館内レストランやバーに繰り出し、大人の時間を満喫してもいい。

 少しチャイニーズのテイストが入ったヨガのクラスなど、女性の興味をそそるアクティビティーも開催されている。こちらもホテルのウェブサイトなどで事前に情報チェックするか、現地で問い合わせてみよう。

親子でヨガも楽しめる(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)
親子でヨガも楽しめる(写真提供=桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)

 施設内のコミュニケーションは主に中国語、英語。スタッフの方々の英語は分かりやすく話しやすい雰囲気で、細かなことでもリクエストすると、気持ちよく応えてくれた。

 帰国の台北松山空港から成田空港までのフライト時間は、行きの約4時間に比べると短い2時間20分。アナウンスを聞き間違えたかと思うほどの近さだった。短時間のフライトで、今までの台湾のイメージを覆すようなリゾート体験は、家族それぞれが満足できる旅になるのではないだろうか。

The Westin Tashee Resort, Taoyuan
ウェスティン大渓リゾート・桃園 (桃園大渓笠復威斯汀度假酒店)

166 Rixin Road, Daxi District, Taoyuan 335 (桃園市大渓区日新路166号)
台湾桃園国際空港(TPE)より車で40分、台北松山空港(TSA)より同75分、桃園鉄道駅より同20分
http://www.westin.com/tasheetaoyuan
チェックイン 15:00 チェックアウト12:00

※2009年01月11日より、台湾全土にて台湾衛生署国民健康局による禁煙新法が施行されました。台湾国内すべてのホテル・飲食店などは全面禁煙実施となっている。

※ウェスティン大渓リゾート・桃園では2016年3月31日までの間、オープニング記念としてデラックスルーム宿泊に2人分の夕朝食が付いたオープニングパッケージを1泊8000TWD(15%のサービス料・税金別途)で販売中。

(文・写真/阿部祐子)

 ⇒詳しい応募要項は次ページにてご案内します。