この「マネー特集」では、共働き夫婦の世帯を6つ(「典型的な共働き世帯」「高収入」「高齢出産」「夫・独立」「退職妻パート」「実家力不足」)のタイプに分け、それぞれのライフプランの特徴により、夫婦が何歳ぐらいのときに何に気を付けなければいけないかを探ります。この最終回では、DUAL世代が生涯にわたってお金に関して不安がなくなるような、「お金の増やし方・貯め方」についてお伝えします。気を付けなければならないポイントのほか、6つのタイプのうち、特に要注意のタイプをお伝えします。

【ダブルインカム 最強の貯め方・使い方特集】
第1回 典型的な共働き世帯 老後費用は意外と少なく危機
第2回 共働き高齢出産や夫独立 家計で注意が山ほどある
第3回 教育費 30代後半出産は支出過多で後ずれリスク
第4回 「レジャー費を貯蓄から出す」習慣は撲滅すべき
第5回 介護費用 同じ共働き世帯でも実家の経済力で激変
第6回 典型的な共働き世帯がお金を増やせる「3つの方法」 ←今回はココ

特にしっかり貯め、増やしておきたいのは「夫・独立タイプ」

 働き方やライフプランがある程度、勤務先の都合で決まってしまう会社員と違い、自分の裁量が求められるのが「夫・独立タイプ」です。「お金の増やし方・使い方」についても、このタイプは特に注意が必要です。

 「夫・独立タイプ」は世帯年収が650万円(夫の手取り350万円、妻300万円・手取り250万円で世帯の手取り年収が600万円)。妻が、32歳と35歳で合計2人の子どもを産んでいる世帯です。自営業は社会保険を家計から払うため、「年収額面=手取り」として計算しています。夫は61歳、66歳のタイミングで段階的にペースダウンをしながら、70歳まで働き続ける想定です。

 夫独立タイプは退職金がなく、また早く会社を辞めてしまうことで厚生年金も少なくなります。「一方で、元気でやる気があれば、年をとっても長く働けるので、老後の収入を増やせるというメリットもあります」と、FP法人ガイアのプライベートFP(ファイナンシャル・プランナー)・新屋真摘さんは言います。

 「ただし、独立すると仕事とプライベートの区別があいまいになり、車の維持費や外食代などまで経費で落としているケースがあります。仕事を辞めてしまうと経費が使えなくなるので、同じ生活レベルを保とうとすると、引退後の生活費が高くなるという可能性があります。今のうちから無駄な出費を増やさないように習慣付けるとともに、国民年金基金などを利用して老後資金を増やしておくと安心です」(新屋さん)

 退職金がないことに対しては「小規模企業共済や、個人型確定供出年金などで積み立てをするという方法がある」と、ファイナンシャル・プランナーの前野彩さんは言います。

 「小規模企業共済も個人型確定拠出年金も退職金代わりになりますし、節税にもつながります。早いうちから積み立てておくことをオススメしたいです」(前野さん)

 このほか、独立すると住宅ローンの審査が通りにくいというデメリットもあります。

 「将来独立する予定がある人は、独立前に住宅ローンを組んでおいたほうがよいでしょう。また、病気などの理由で働けなくなった場合に収入が途絶えてしまうリスクが高いので、保険でしっかりカバーしておくと安心です」(新屋さん)

 次に注意したいのが、「妻パートタイプ」です。

<次ページからの内容>
・ 「妻パートタイプ」にオススメのお金の増やし方。グラフでパッと解説
・ 「高収入タイプ」にオススメのお金の増やし方。これを知らないと退職後に赤字に?
・ 中小企業勤務や独立起業タイプの人が老後資金を作る方法
・ すべての共働き世帯に当てはまる「お金の増やし方」はこの3つ!