「2020年までに指導的地位の女性を30%に」。安倍首相が数値目標を掲げたことを追い風にして、女性管理職育成に本腰を入れる企業はますます増えています。
 企業側の具体的な取り組みとしては、男性に比べてトレーニングの機会が不足していた女性管理職(候補)を集めて、日常的な部下指導やチームマネジメントに役立つスキルや経営感覚を磨くための各種研修を導入するというのが代表的。そんな中、「見た目のセルフ・ブランディング」を掲げ、ファッションとメイクの改善指導をテーマにした斬新なセミナーが開催されました。

女性管理職達のニーズ 「身に付けるべきは美と健康」

 課長職以上の女性管理職向けの「セルフ・ブランディングセミナー」を開催したのは、日立ソリューションズ(東京都品川区)。同社の女性管理職数は課長45名、部長15名。全体の比率としては3%と、“女性活躍の先進企業”としてはまだ途上ですが、「誰もがイキイキと働ける環境づくり」のための取り組みを強化。イクボス育成セミナーも企画しています。
 今回のセミナーの旗振り役は、人事総務統括本部ダイバーシティ推進センタ。きっかけは、毎年社内で開催している女性管理職のミーティング「紡ぐ会」で、「私達がもっと身に付けるべきは、美と健康」という声が上がり、参加者同士で盛り上がったことだったそう。
 「仕事にひたすら取り組んで肩書きまでついたけれど、ふと気づくと、外見を磨くことを二の次にしてきてしまった」
 「人は見た目が9割、と言われるほど印象の演出は重要。ビジネスの価値創造のためにファッションやメイクを学びたい」
 「今、管理職の立場にある女性達がもっと美しく輝けば、後進の女性達もキャリアアップを目指すようになるのでは」
 そんな意見が活発に飛び、発言する女性たちの顔がイキイキと紅潮するのを見て、「セルフ・ブランディングセミナー」を企画。8月27日に午前・午後の2回に分けて実施しました。ファッション指導の講師には、日経DUALでコラム連載中のパーソナルスタイリスト、みなみ佳菜さんを迎えました。