「地元の公立に入れるのも少し不安がある。でも、わが家がお受験なんて……」。子どもが3~5歳くらいになると、気になってくる小学校入学。教育に関心の高いDUAL読者なら、一度は頭によぎったことがあるかもしれない。私立や国立の小学校合格を目指して受験する、いわゆる「お受験」。セレブリティな響きのあるこのお受験は、テレビドラマなどから高級志向や過剰な詰め込みのようなイメージが先行してしまっているが、実際にはどうなのだろうか? 何も調べずに可能性を絶ってしまっていいのだろうか? 受ける、受けないは別として、まずは少し知っておきたいお受験のこと。専門家や体験ママの声を聞いてみました。

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子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

暗黙の男女の合格ボーダーの差

 ひとえに小学校受験といっても、求められる力から合格水準まで男女では差があると話すのは、個別指導を行う幼児教室こどもみらい塾エルクの奥野孝子先生。多くの学校では、受験は月齢の考慮があり、生まれ月などで合格水準や問題が異なる。しかし、男女の差はあまり明らかにされてはいないが、知っておいたほうが受験への臨み方がもっと具体的に分かるという。

 「男女の成長を見ると、中高くらいまでは平均的には女子の方が精神的に大人で、しっかりしています。そのため、共学校であっても男女で求められるレベルは多少の差があります。行動観察一つを取っても、女子は指示通りできるのは当たり前ですが、男子では指示通りできたらそれだけで効果があります」とお受験の実態を説明する。

 ペーパー問題にしても、指示行動にしても、やはり女子は“できて当たり前”の風潮が強く、自然と水準が上がり、男子は“できたらポイントアップ”という感じだという。そのため、共学は男女同じ問題が出ても、男子校よりも女子校のほうがペーパー問題の量が多かったり、指示行動も複雑なものも多い傾向にあるようだ。具体的に、男女でどのように異なってくるのだろうか?

<次ページからの内容>
・ 男女別OK・NGアプローチ
・ のんびりさんの多い男子は、理解力重視
・ しっかりさんの多い女子は、創作力アップを
・ 男子校、女子校、共学……親が忙しいのはどれ?