住宅ローンや保険、投資など、DUAL家庭に身近なマネーのテーマを分かりやすく解説するFP中嶋よしふみさんの人気連載「世間まるごとHow much?」。9月号では、マンションや家の購入を実際に検討しているDUAL夫婦2組が中嶋さんにお悩み相談する「住宅ローン相談室」の模様を、スペシャル特集として5回にわたってお届けします。特集第2回は、いよいよ1組目の夫婦は「7500万円のマンションを買えるか」の本題に踏み込みます!

【住宅ローン相談室 特集】
第1回 中目黒で高級マンションの購入に迷う夫婦の家計診断
第2回 42歳の夫婦は7500万円のマンションを買えるか ←今回はココ!
第3回 月6万円の保険料は不要?住宅ローン前に見直し
第4回 年収1400万円で赤字?黒字?袋分けで大混乱の家計
第5回 【解決編!】世帯年収1400万円の家計管理が大混乱

プラスの要素とマイナスの要素を計算する

 本日ご来店いただいた平手さん夫婦(仮名)、7500万円のマンションの購入を検討している。今回はメインである住宅購入の相談となるが、ご夫婦のデータを再度確認したい。

■年収と勤務先
(42歳) 650万円 大手IT企業 映像コンテンツ作成
(42歳) 500万円 中堅PR会社
※妻は時短勤務中で、出産前の年収は750万円ほど。フルタイム勤務に復帰すれば同程度に戻る予定。

■家庭の状況
結婚5年目。2歳の女の子が1人。二人目は考えていない。

■現在の住居
東京・中目黒の賃貸マンション。家賃は15万円で家賃補助が夫の会社から3万円。

■購入プラン
購入予定の物件 7500万円くらい。
頭金 800万円くらいの予定。親族の援助が1000万円くらいは期待できる。
現在の住まいである中目黒で検討。

■資産
現在の貯金額 1600万円(妻1200万円 夫400万円)
その他 300万円分(株・投資信託など)
年間の貯金額 134万円(妻34万円 夫100万円)

■レッスン・相談の内容
家の購入を考えたが、それ以前に家計の管理ができてない。営利目的ではない人に相談をしたい。

中嶋(以下、中) 中目黒で新築マンションだと7500万円は普通というか高くはないですよね。多分これくらい出さないと購入は無理かなという。

 賃貸だと普通に住んでいましたけど、買うとなったときにはここまでいくとは思っていませんでした。

 前はもう少し安かったように思うんですけどね。たまに近所でマンションが売りに出ていて目に入ったりはしてましたが……。

 皆さんおっしゃいますね(笑)。ここ数年の値上がりがすごいので、特に都心部のマンションの値上がりが大きいので想定していた額より高くて驚く、というのは珍しくありません。今後購入しても大丈夫かどうかはバッファーというもので計算します。

 過去の連載でも何度か説明したが、年間の貯金額を前提に、プラスの要素とマイナスの要素を計算する。プラスの要素は住宅ローン減税と児童手当の2つ、マイナスの要素は賃貸のときより増えたローンの返済額と時短勤務などによる収入ダウン、子育て費用の3つとなる。

 前回の記事では、頭金を1000万円、6500万円の35年ローンでシミュレーションをしました。金利は今の時点で最低水準が1.19%なので、毎月の返済額が18.9万円、管理費なども考慮して22.9万円。賃貸(15万円)との差額は7.9万円ですね。年間で12倍にすると、94.8万円になります。

 頭金はもう少し出せそうですね。僕も妻も親からある程度、贈与がもらえそうですので。

 どれくらいになりそうですか?

 私と夫を合わせて、多分1000万円くらいは。そこに貯金からも出しますので、貯金を半分くらい入れるとプラス800万円とか? できるだけ入れたいんですけど、そこも今日相談したいです。ちょうどいい額が分からないもので……

 1000万円の贈与が受け取れるなら、頭金はもうそれで十分という気もします。なぜかというのを詳しく説明しますね。

<次のページからの内容>
・頭金と家計の安定、どちらを取るべき?
・収入が大幅に減る60歳、65歳時点のローン残高を試算
・将来は湘南? 住み替えの場合、賃貸、持ち家どちらがいい?
・買ったマンションは果たして20年後にいくらで売れるか
・家計節約でリスクは減る? 節約しやすいものは2つ

相談者募集!

 中嶋よしふみさんの記事に出ていただけるご夫婦を募集しています。相談は中嶋さんが対応します。料金は不要です。通常の有料相談・レッスンと変わりなく、下記の掲載例にあるように疑問や不安が消えるまでとことん対応するスタイルです。繰り上げ返済など住宅ローンを中心に、保険、家計、資産運用などについての相談を募集します。対面でレッスン・相談を行い、執筆の参考にします(記事は個人が特定できないように配慮します)。過去に一度応募いただいて取材記事の対象にならなかった方のご応募も可能です。詳細は、以下のご応募ページをご覧ください。

■応募締め切り: 2017年10月4日
(レッスン提供は10月中を予定。日時は相談のうえ調整させていただきます)

■掲載例: 「世帯年収1350万円でも住宅購入を迷う夫婦の理由(上)
住宅購入後の出産で年間200万円の貯金取り崩し?(下)

■ご応募ページ: http://sharescafe.com/free_9_124.html