夏休みも終わり、いよいよ二学期がスタート。長い休み中、子どもがデジタル機器に触れる時間が増えたというDUAL家庭は多いのではないでしょうか。デジタル機器の利用が子どもに与える影響についてお届けしてきた本特集。最終回は「視力への影響」についてお届けします。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)長時間のデジタル利用は子どもの脳の可能性を狭める
(2)思春期にデジタル漬けでコミュニケーション能力低下も
(3)子どもの首ねこ背・夜更かし デジタル弊害と改善法
(4)子どもの近視は遺伝と環境が原因 デジタルの影響は?   ←今回はココ!

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学生低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

小学生のデジタル機器の利用時間は1日93.4分。2時間以上利用は32.5%

 内閣府発表「平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(調査対象満10~満17歳)によると、デジタル機器(スマートフォン、携帯ゲーム機、タブレット、ノートパソコンなど)を使った小学生のインターネット利用率は61.8%、機器の利用率は84.2%(平成28年)で、なかでもスマートフォン機器の利用率は、平成26年17.1%、平成27年23.7%、平成28年27%と、数年で急激に増加しています

 デジタル機器を使ったインターネットの平均利用時間は93.4分で、そのうち2時間以上利用している人が32.5%を占めました。

 さらに、文部科学省発表「平成28年度学校保健統計」によると、裸眼視力が1.0未満の小学生は31.46%と、調査を始めた昭和54年度の17.91%から増え続け、過去最高を更新しました

 国立成育医療研究センター・眼科の仁科幸子先生は、「最近、急速に子どものデジタル機器利用時間が増えて問題となっています。アメリカ小児科学会では、乳幼児の機器使用を制限する提言を行っています」と、子どもへのデジタル機器の影響が問題になっている点を指摘。近視への影響についても、「デジタル機器使用と近視の進行に、明確な根拠はまだありませんが、近距離での長時間視聴が近視を進行させることは、近視の児童が増加していることと、様々なデジタル機器の普及の年代推移から見て、十分に考えられます。家族でデジタル機器の付き合い方についてのルールを決めることが大切です」と注意を促します。

 デジタル機器によってなぜ近視が進行するのか、近視の抑制法や、使用するときに気を付けたいことを、次ページからお届けします。

<次のページからの内容>
・ 両親が近視だと子どもにも遺伝する?
・ 近視予防 唯一効果が認められているものは?
・ 近視の進行を抑える3つの対策
・ 近視を進行させる最悪のスマホ視聴ポーズとは