将来、この子はどんな大人になるのかな? かわいいわが子の10数年先の未来を描けば夢は膨らみます。うちの子はサッカーが得意だから、スポーツ選手かな? 今からちゃんと勉強を頑張れば医者や宇宙飛行士も夢じゃない! そういえば、保育園で絵を褒められたから、アートの道へ? いやいや、やっぱり平穏な生活は安定収入があってこそ。できるだけ大きな企業の会社員になってくれるほうが安心かな……。親の期待と心配は尽きません。夫婦共に現役で働いているDUAL読者だからこそ、“仕事の現実”をリアルに知る立場として助言したくなることもあるでしょう。
 子どもの将来の仕事選びで、重視してほしいのはどんなこと? どんな仕事に就いてほしい? そもそも仕事の話、子どもの前でしている? 読者アンケートからその実態を読み解きます。

【子どもが幸せになる将来のおしごと 特集】
第1回  子に好きな道歩んでほしい親が多数 読者アンケート ←今回はココ
第2回  好き・夢中を信じる力こそが子の幸せキャリアの近道
第3回  私を後押ししてくれた「アシスト賢母」の言葉と教え
第4回  子どもを持つ親に人気「グローバル企業」のリアル
第5回  4つのスキルさえあれば、子どもが世界で通用する

「親の敷いたレールに乗ってほしい」という回答者はゼロ

 子どもがいる働く男女を対象に、子どもの将来の仕事について日経DUALが実施したアンケート(2017年6月実施)では176人が回答。平均年齢は38.5歳、うち女性が86.9%、正社員比率は77.3%だった。子どもの人数は「2人」が47.7%と最も多く、次に「1人」(40.9%)、「3人」(10.2%)と続いた。

 まず、子どもの将来の仕事に対して、親としてどういう姿勢でありたいか?という質問について。圧倒的多数だったのは、「子どもが自分で選んだ道と納得したら応援したい」(65.9%)という回答だった。

 続いて回答数が多かったのは「親の考えを押し付けたくはないが、要所要所で親のアドバイスを受け入れてほしい」(25%)というもの。“仕事のリアル”を肌で知る社会人の先輩として、言いたいことは実はたくさんある。そんな本音が垣間見える。

 一方で「親の敷いたレールに乗ってほしい」という回答者はゼロ。全体的に「子どもの意思を尊重したい」という思いが強く感じられる傾向だ。だからといって「子どもは自分と違う人格なので、一切口を出さない」とまで言い切れる人は8.5%にとどまった。

 共働きならではの家族環境の特徴といえば、両親ともに働いているため、親自身が社会と密接につながっていること。自分の仕事の話を通じて、子どもと一緒に将来の仕事について考える機会を広げることもできるのではないか。実際の状況はどうかと見てみると、「お子さんに自分の仕事の話をすることはありますか?」という質問に対し、「よくある」「たまにある」と答えた人は7割超。うち「よくある」と答えた人は2割だった。

 では、実際にどんな話をしているのか?

 具体的内容として挙がった上位項目を見てみると、「その日の成功・失敗談」(24.4%)や「その日の忙しさについて」(17.3%)など、当日のできごと報告が目立つ。夕食を一緒に食べながらの話題として、「あ~、今日も参っちゃった! こんなことがあってね……」などと子どもに話す人が多いようだ。

 他方、「仕事のやりがいや楽しさについて」と回答した人も18.1%に上る。働くことをポジティブに伝えることは、子どもの職業観にもプラスの影響があると考えてのことか。「仕事の愚痴や不満について」話すという人は0人だった

約6割が自分と同じ職業を薦めたいと思わない

 子どもにとって親は最も身近な“働く大人”のロールモデル。そもそも子どもに自分と同じ職業を薦めたいと思うことはあるか? という問いに対しては、なんと6割が「ない」。自分と同じ職業の道を、わが子にも歩んでほしいとは思わないという人が多数派となった

<次ページからの内容>
・○○な人ほど、仕事の話を子どもにしている?
・4割が「将来の職業は子どもの気持ちを優先」
・先回りして仕事の現実を助言したくなることも?!
・3人に1人の親が「なってほしい職業がある」
・公務員より起業家、フリーランス志向!