生活に根付いたインターネット利用 小学生も増加傾向
小学校の宿題や日々の疑問の検索ツールとして、辞書や図鑑とともにインターネットを活用している家庭も多いでしょう。災害時には、携帯電話に代わりソーシャルメディアが情報インフラとして活躍するなど、その便利さから現代の生活に身近なものになっている反面、子どもの防犯面で考えた場合はどうでしょうか。
全国の小学生~高校生を対象に実施した「平成28年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)を見ると、子どものインターネットの利用率は、平成26年は76.0%であったのが、平成28年には80.2%と増加傾向にあります。
さらに1日の平均利用時間は、154.3分(小学生93.4分)。うち「2時間以上」の割合が、56.3%(小学生32.5%)と、平成26年度の調査結果(全体49.9%/小学生24.1%)と比べると増加しています。中でも注目は、ゲーム、動画視聴、情報検索といった用途とともに、「コミュニケーション」ツールとしての利用の高さ。平成28年度調査では、小学生の32.5%、中学生の67.2%、高校生の90.6%(スマートフォン:小学生46.5%、中学生84.1%、高校生92.3%)が利用内容に「コミュニケーション」を選んでいます。
「インターネット利用の低年齢化が進んでいる中で、違法なサイトへのアクセスや双方向通信には注意が必要です。友人間のコミュニケーションを目的としてSNSを利用している場合でも、プライバシー設定が十分でなかったり、友人に写真などを引用されたりシェアされたり、思わぬトラブルに発展する危険性もあります。また近年、匿名参加のSNSは、児童ポルノや買春の温床となっていることが問題となっており、特に親は目を光らせてほしいですね」と千葉大学教育学部教授 藤川大祐さんはアドバイスします。
藤川さんは、小学生高学年からのインターネット使用上の主な注意点を以下のようにまとめます。
<子どものインターネット使用 親子で取り組みたいこと>
① 「ネットの向こう」を想像し、危険を意識。トラブル時の対応ルールを決める
② インターネットの情報は不特定多数に漏れる可能性があるものだと伝える
③ フィルタリングの設定を行う
④ 下着姿や裸の写真は撮らない、送らない
⑤ 見慣れないサイトはクリックしない、親の目が届く下で触らせる
⑥ 悪質サイトでのウイルス感染、課金要求リスクを伝えておく
⑦ 生活習慣が乱れたり、家族の会話がなくなったりしないよう使用する場所、時間、料金などを話し合っておく
便利さの裏にある危険性を知らずにインターネットを使うことで、子どもたちは思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまうことも。子どもがインターネットを利用する際に、あらかじめ家庭でしておきたい対策について次からさらに詳しく聞いていきます。