職場復帰に当たって、早めに考えておきたいのが「おっぱい」について。母乳育児をしているなら、復帰前に断乳(あるいは卒乳)するか、母乳を続けるか迷うママは多いものです。特に夜間授乳を続けていると、まとまった睡眠時間が取れずに「寝不足でつらい」という声もよく聞きます。今回の記事では、復帰後もなんとか母乳を続けたい場合の準備ポイント、どうしても夜間授乳がつらい人向けに、夜間だけ断乳する方法をお伝えします。

【妊娠~職場復帰ママ・パパ向け/新学期準備号!】
(1) 正しい睡眠リズム「体も心も壊れにくい子」つくる理由  
(2) 5歳までの最優先目標 早寝早起き5つのポイント
(3) 復職前に断乳・卒乳した先輩ママの成功ポイント 
(4) さく乳室は?夜間授乳は?職場復帰前の準備ポイント ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学生低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

保育園と職場環境をチェック

 ワーママにとって、母乳育児を続けるメリットは色々あります。例えば、子どもの健康面では、母乳をよく飲む子どもは風邪や中耳炎にかかっても重症化しにくく、早く良くなるという報告があります。また、入園直後などで子どもが精神的に不安定なときに、手早く安心させる手段として使うこともできます。

 職場復帰後もなんとか母乳育児を続けたいと考えている場合、前もってチェックしておきたいポイントを見ていきましょう。

母乳を続けたい場合の準備ポイント

◆保育園など保育施設
・職場から近い→仕事中や休憩時間に直接授乳することが可能か
・職場から遠い→さく乳した冷凍母乳を預かって与えてくれるか

◆職場環境
・さく乳室はあるか(休憩室や会議室などの部屋を使えるか)
・さく乳する時間をいつにするか
・どうやってさく乳するか(電動・手動のさく乳器を持参など)
・さく乳した母乳を保存する冷凍庫の有無
・さく乳した母乳を持ち帰る手段(保冷バッグなど)

◆時間
・いつ母乳をあげるのか(保育園で日中も与える、朝と夜のみ直接授乳など)
・寝不足になる夜間の授乳をどうするか考えておく

 最初に確認したいのは、保育園など保育施設の対応です。自分でさく乳器などを使って搾った(さく乳した)母乳を冷凍した「冷凍母乳」を保育園が預かって、ママの代わりに与えてくれるかどうか。保育所保育指針(児童福祉法)には「(保育園は)母乳育児を希望する保護者のために、冷凍母乳による栄養法などの配慮を行う」と定められてはいるものの、冷凍母乳の受け入れについては、自治体や園によって対応が異なるので、園に直接確認しましょう。

 次に職場環境です。

<次ページからの内容>
・さく乳で職場に確認すべきポイント
・法律で認められている時間
・部分的に母乳を続ける場合、子の授乳リズムの調整が課題に
・専門家がアドバイス、夜間断乳を成功させる方法