学童卒所、放課後の居場所を再構築……先輩ママの実体験
小学校4年生ごろになると学校生活にも慣れ、子どもは徐々に親の手から離れていきます。その一方で、これまで放課後の安全な居場所であった学童を小3で卒所しなければならない地域があったり、子ども自身の意思や個性が育ち、学童へ行きたがらなくなったり。放課後から親が帰宅するまでの間の居場所づくりを、組み直さなければならない事態に陥る“小4の壁”を経験する人も少なくないでしょう。これまでのような時間のやりくりだけではなく、子どもの人格と向き合っていく中での悩みや心配事も増えていく高学年の子育て。小4の壁の乗り越え方について、公設学童に子どもを通わせている(または、通わせていたことのある)先輩ママの声を紹介します。
学童の卒所ルールに限らず、多くの共働き家庭で、学童との付き合い方を見直す時期が小3~4ごろ。子どもは「仲良しの友達と遊びたい」「自由な時間を過ごしたい」と言うけれど、「一人でお留守番をさせるにはまだ心配」。先輩ママたちも最初は手探りだったようです。
横山 子どもが小3になったあたりからあまり学童へは行きたがらなくなって困りました。2年生くらいまでは文句も言わなかったし、学童でも友達ができたのでよかったのですが、「仲良しの友達とも遊びたい」と思うようになったみたいです。でも、自分が学童に行かずに帰宅したとしても、仲良しの友達はみんな習い事に行ってしまって結局遊べない。家でポツンと独りぼっちなのはつまらないので、「だったら学童に行く」ということも。学童に行くのか行かないのかは割と本人の意志に任せるようになり、小4になってからも登録はしましたが、週に1回行くか行かないかといった感じになりました。
川上 うちの娘も、やはり小3くらいから一人帰りしたがるようになってきました。周囲に一人帰りをする友達が徐々に増えてきて「なんで自分だけずっと学童にいなくちゃいけないんだ」っていう気持ちも芽生えてくる。特に学童での仲良しが一人帰りするようになってからは学童がつまらなくなったみたいです。
1年のときは学童は楽しい場所みたいなんです。行事もすべてが初めてなので。ところがうちの子の場合は、2年になるとちょっと飽きてきて、3年になるともう「学童の行事なんて大したことない」って気持ちになってしまった。他の民間学童でも色々なことを学ばせてくれるし、プログラムも充実していて楽しそうですよね。でもそれは親がそう思っているだけであって、子どもにはそんなのどうでもいいのかもしれないな、と感じることがあるんです。「学校の仲良しの子と遊べればそれでいい」っていうのが子どもの本音ではないでしょうか。
6年まで通える学童でしたが、小4になってから学童を辞めていく友達が多く、周りを見ても6年間通う子はまずいません。やはり、小4になると色々なことが一人でできるようになってきます。帰宅後におやつを食べて、外出することもできる。学童に通わせるのは小4の夏休みが限界じゃないかな、と感じました。
片山 実家には頼らず乗り切ってきたので、小3までは学童のお世話になりっぱなし。でも、そこは「小3まで」という預かり条件がありました。他の家庭などでは「一人で留守番させるのはまだ怖いから」という理由で、習い事や塾の予定を入れていたようでしたが、そうすると金銭的負担も大きくて。わが家は中学受験も一切考えていなかったので、「そこまでがんじがらめにするのもなあ」と思っていました。でも、学童は小3の3月31日で終わり。“小4の壁”は夏休みよりも早く、まずは春休みに直面するものでしたね。
横山 息子のほうはお姉ちゃんと違って小4の最後まで学童が大好きでした。下の子たちに頼りにされてちょっと面倒臭いけど、かわいいな、みたいな(笑)。学校の校庭を使うことができたので、思いっきり遊ぶことができて楽しいというのと、学童に仲の良い子がたくさんいたのがよかったみたいです。学童って、異学年が交流するという意味で、すごく良い場所だと思います。
同じ学校の友達が多く通う「楽しい遊び場」であった学童は、学年が上がるとともに通う友達の数が減ったり、放課後の過ごし方に対する自分の希望が強くなったり、居心地のいい場所ではなくなってしまう場合もあるようです。「小4の壁」を経験した先輩ママたちは、どのように家庭でのルールや子どもの安全面を整えていったのでしょうか。次のページから、引き続き見ていきましょう。